暦の上では春(立春)前日ですが、辺り一面雪景色です。
顔をのぞかせていた水仙の芽が、雪にすっぽり覆われてしまいました。
まだまだ寒い日が続きそうですね。
「こころほいく」では毎日利用者さんがいらっしゃる訳ではありませんが、お子さんに関わる行事は大切にしていきたいと思っています。
「節分」もその一つです。豆をまいて鬼を追い払い、福(春)を招き入れたいと思います。そして、1年の無病息災を祈りたいと思います。
豆まきが終わると、「歳の数だけ食べましょう」と豆を食べていたのは、過去の話になりました。今は、誤嚥防止のため、「5歳以下の子どもには、かたい豆やナッツ類は食べさせないように」と、国よりの指導があります。
今年の節分は大人だけでしたので、これまで通り落花生をいただくこととしました。
今年は、新たな試みで、恵方巻の手作りに挑戦してみました。「南南東は、どっちかな?」とワイワイ言いながら、美味しくいただくことができました。
「節分」の楽しみのもう一つは、鬼に関わる絵本を子どもたちに読んでやることでした。
今年は、「だいくとおにろく」の絵本を紹介させていただきます。
「むかし、あるところに、とても ながれの はやい
おおきなかわが あった。」と、このお話ははじまります。
なんどはしをかけても ながされてしまい、むらのひとたちは、こまりはてて
いました。
松居 直再話 赤羽末吉画 福音館書店刊 日本の昔話 |
そこで、このあたりで いちばん なだかいだいくに はしをかけてもらうよう たのむのです。はしをかけることをひきうけたものの だいくは
しんぱいになって かわを のぞきこんでいました。
そこに おおきな おにが あらわれて言います。
「おい、だいくどん、おまえは いったい なにを かんがえている」
ここから、おにと だいくの 知恵くらべがはじまります。問答の末、おにの 力を借りて はしをかけることができました。
結果は、めでたしで終わりますが、人間(だいく)の知恵と機転が鬼(おにろく)に勝ったことは小気味よくもあり、どこか気がいい、憎めない存在の鬼に心惹かれるお話です。
昔話にはいろいろなタイプの鬼が出てくるお話がたくさんありますが、「だいくとおにろく」には、心がほっこりさせられます。
「だいくとおにろく」の再話をされた松居直氏が、昨年11月に亡くなられたと聞きました。とてもショックを受けています。
先生の講演会では、穏やかな口調の中にも絵本への思いを熱く語っていらっしゃったことが、つい昨日のことのように思い出されます。たくさんの学びをいただきました。
ご冥福をお祈りいたします。
絵本は無理じいをして読むものではありませんが、興味がないからいいというものでもありません。絵本の面白さに出会えていないお子さんに、絵本の魅力を伝えることができ、「絵本が大好き!」のお子さんが一人も増えてくれたらこんな幸せなことはありません。