2022年12月31日土曜日

ゆく年くる年

 

あと十数分、もう少しで今年2022年が終わろうとしています。

 

今年も色々な出来事がありました。

いまだ終息しないコロナウイルスとの闘い、2月に始まったウクライナにおける侵略戦争、身近な保育のことで言えば、痛ましい出来事もありました。「不適切な保育」という言葉が、しきりに聞かれるようにもなりました。

 

耳を疑うような出来事が、保育の現場で起きていることに信じがたい気もしますが、氷山の一角なんてことがないように祈るばかりです。

 

変則的にそれも一時的に短時間のお預かりをさせていただいている「こころほいく」にも、もれなく「不適切保育について」の調査依頼の文書が届きました。年明け早々に報告書を発送する予定です。

 

そもそも、私にとっての子どもという存在は、愛されるために生まれてきた守られるべき存在だと思っております。生まれてきた場所で、周りの大人を手本として学び、成長していくものです。

 

目の前の子どもを見ていると、「この前にはできなかったことが、今日できるようになった。」それだけで喜びです。そんな子どもの姿を見ていると自然に笑みがこぼれ、感動をいただいております。

 

来年は、一人でも多くの人たちが幸せに暮らせる世の中であってほしい。子どもたちの笑顔がたくさん見られる年になってほしい。そんなことを思いながら、心新たにして新しい年を迎えたいと思います。

 

今年一年大変お世話になりました。たくさんの方に支えられてここまでやってこられたことに感謝しかありません。ありがとうございました。

 

来年もよろしくお願いいたします。


卯年2023年
子うさぎを見つめる優しいまなざしに一目ぼれして、求めたものです
このうさぎさんにあやかって、
子どもの心に寄り添って保育させていただきます



 

2022年12月22日木曜日

クリスマスと絵本

 

大雪になりました。

庭の木々もすっぽり雪におおわれ、辺り一面真っ白です。花芽をつけていたミモザの木の枝が雪の重みでポキント折れ、いたわしい姿になってしまいました。雪の備えもしないで、不用意だったことをミモザの木に謝りました。

 

「ホワイトクリスマスだ!やったー!」なんていうレベルではありませんでした。

 

かつて…。

12月の保育園は、クリスマスカラーで一色です。

「今年のクリスマスは、どんなことをしようかな?」「さてさて、サンタさん役にはどなたにお願いしようかしら?」などなど。子どもたちの喜ぶ顔を想像し、わくわくしたものです。

 

「サンタさんが来てくれるかな?」と、まずはサンタクロースへの期待感を高めるための演出をあれこれ、そしてその期待を裏切らないように準備を着々と進めていきます。

 

サンタさんにどういう形で登場してもらうかが、悩みどころでした。

トナカイが引くソリに乗って…といきたいところですが、そもそも雪も降らなければ、住宅事情も変わって煙突のある家もありません。

 

当日。

ホール入り口の手前辺りから「シャンシャン♫」と鈴の音を聞こえるように流し、「来るかな?来るかな?」の雰囲気が盛り上がったところに、「サンタさん登場!」の運びとなります。

 

「ほんとうにサンタさんなのかな?」と怪訝そうに顔を覗き込む子どもや「サンタさん!どうやってきたの?」「どこからきたの?」など興味津々な質問に、丁寧に答えるサンタさん。そのサンタ語の通訳するのが、進行役である私の役目でした。子どもたちの期待を裏切ることなく、失望させないようにするのが、大人の役割と思っていました。いつまでも夢見る子どもでいてほしいと願っています。

 

そのあと、サンタさんからプレゼントをもらうのが、定番の流れです。怪訝そうな表情だった子どもも、プレゼントをもらった喜びで、「?」は吹き飛んでしまうようです。()

 

蛇足ですが…。

2005年12月22日、強風による大停電が新潟地域に起きました。まさにクリスマス会の真只中の出来事でした。楽しかったクリスマス会の余韻どころではない、子どもたちを寒さから守るための行動に必死だったことを覚えています。園にあるありったけの毛布を出して、暖をとりました。電話も不通となり、外部との連絡も取れない状態でした。

 

夕方4時頃には復旧し、大事に至ることもなかったのは、幸いでした。

 

あれからまさに17年。今年は、この大雪になって、いろんな被害災害が起きていると聞きます。子どもたちの安全を守るために日々ご苦労をなさっている園の先生方を思うと、頭が下がります。

 

もうすぐクリスマス。

話はがらりと変わりますが、この時期に子どもたちに読んであげたい絵本を1冊紹介させていただきます。

 

「子うさぎましろのお話」
文・佐々木たづ 絵・三好碩也 刊・ポプラ社

クリスマス。

北の国に住むどうぶつの子どもたちのところにもサンタクロースがやってきました。

白いうさぎの“ましろ”は、いちばんに贈り物をもらいました。おかしときれいなかざりです。

“ましろ”は、よろこんでおかしをぺろりと食べてしまって、まだ、もっとなにかほしくなりました。

 

そこで、“ましろ”は、「べつのうさぎの子になればいい!」と考えました。そして、からだのところどころにすみを塗って、まっ白なからだをくろくしてしまうのです。

 

うさぎの子は、いいました。「おじいさん、ぼくにもクリスマスのおくりものちょうだい」

おじいさんには、それが“ましろ”だということが分かっていたのですが、…。

 

残っていた一つの種をもらい、さらに袋の中に残っていたサンタさんのサンドイッチももらって食べる“ましろ”でした。

 

おなかいっぱいになったうさぎの子に、サンタクロースのおじいさんは、種を渡しながら言いました。

「さあ、よい子で、おうちへおかえり。おかあさんがしんぱいして、まっているよ。」

                ―(中略)―


自分のものは、さっさと食べてしまったけど、お友だちのものが美味しそうに見えてくる。もっとほしいなあ!小さい子どもには、あるあるの話ですよね。

 

「さっきあげたよね。もう食べてしまったの?」と、たしなめてしまえば、話はそれで終わりです。子どもの可愛い嘘にうまく付き合ってあげる優しさと包容力に、心が温まるお話です。

 

クリスマスを間近に控えた頃、4,5歳児のクラスに読んであげていた絵本です。

少しむずかしい内容もありますが、研ぎ澄まされた子どもたちの感性で、しっかり受け止めてくれていたと思います。

 

さて、このお話のラストシーンが感動的なのです。

 

“ましろ”は、ひとつの種を土の中に埋めました。春になって芽をだしたのは、もみの木。もみの木はぐんぐんのび、秋には若木になり、そして12月。

 

“ましろ”のもみの木は、もみの林の中にあって、ひときわキラキラかがやく木に育ったのでした。

そして、その木には、おもちゃ、ベルや絵本、おかしもなっていました。

心を改めた“ましろ”への贈り物は、神様からの世界中の子どもたちへ贈られた木だったようです。

 

「うそをついてはいけないよ」「いい子になるとこうなるよ」という、教訓話ではけっしてありません。

でも、お話を聴いている子どもたちには、ちゃんと伝わっているようでした。

 

クリスマスを心待ちにしている子どもたちに伝えたいメッセージを気負わず、淡々と読み、このお話の魅力が伝わってくれれば、嬉しいです。

 

今日お預かりした9か月になったEちゃんには、初めてのクリスマスです。

この時期のお子さんにふさわしいクリスマスの絵本が見つからず、結局、「いいおかお」

「いないいないばぁ」の2冊を読んであげました。

 

手を出して、「タッチ!」と言葉をかけると、もみじのような可愛い手を出して応えてくれるEちゃんです。

メリークリスマス!


<こころほいくの玄関ギャラリー/クリスマス>
今年新調したツリーとリースが仲間入りしました


2022年12月3日土曜日

振り返ってみて

 

昨日は、新潟に初雪が降りました。まさかの雪に見舞われ、外出先から必死な思いで帰宅しました。スノータイヤ未装着!天気予報を侮ってはいけないと、つくづく思ったところです。新潟に冬の到来です!

 

<ナナカマドに積もった初雪>

 そして、今年のカレンダーは残すこと、あと1枚になりました。定型文ですが、あっという間の1年だったように感じています。

 

振り返って思うことは、コロナ禍にあって、口角を上げていてもマスクで顔の半分が覆われている状態。目だけで感情を伝えることの困難さです。

最近お預かりさせていただいているEちゃん(8か月の女の子)に、じっと顔を見つめられることがしばしばあります。Eちゃんにとって、信頼できる大人かどうかの確認作業をしているのだろうと理解しています。

幸いなことに、受け入れてもらっていることが感じられ、ほっとしています。「Eちゃんのこと大好きだよ!」の気持ちはしっかり伝わっているようです。

 

お子さんの安心安全の場が保護者さまの安心安全の場に繋がり、「こころほいく」への信頼につながっていくものと肝に命じています。

 

余談ですが…。

 表情を分かりやすくするために、マウスシールドを使ってみた日がありました。その日、たまたまKくんのお迎えに来てくれたお兄ちゃん(4歳児)の言葉を紹介させていただきます。「(園の先生と)マスクが違うね。」と、お母さまからの後日談です。子どもの観察力の鋭さにドッキリさせられます。大人の一挙手一投足を本当によく見ていますね。

 以来、違和感を与えるマウスシールドは使用しないことにして、いつものマスクに戻しました。()


10月末日。

瀧薫先生の「子どもの瞳が輝くとき」~おもちゃの選び方と保育者の支援~保育課主催研修をオンライン受講させていただきました。

 

自発的な遊びこそ、発達の基礎である学びである

遊びこそ発達の原動力である

乳児とおもちゃの関り、そしてどんなおもちゃが望ましいのか等々

 

子どもの発達を育む遊びと保育者の関りの大切さを再確認させていただきました。

 

 こころほいくでは…。

お預かりするお子さんの年齢などを考えて、遊びの環境を準備させていただいております。お子さんの興味関心に合致するとは限りませんので、遊ぶ様子を見ながら足したり引いたりしています。ともすると、おもちゃが出すぎてしまい、一つのおもちゃでじっくり遊ぶことを妨げているのではないかと悩むこともあります。

遊びたい気持ちや自発性を尊重していくこと、お子さんの気持ちに寄り添うことが基本であると思っているので、つねに試行錯誤の連続です。

 

いい絵本と同じで、いいおもちゃは、子どもの興味を惹きつける力があると思います。たくさんのおもちゃの中から気に入ったものを見つけ、大人のやることを真似、そして自分流を見つけて遊んでいる姿を見て胸をなでおろしています。

 楽しんで遊べるだろうおもちゃと、ちょっと高度かもしれないけれどこれなら遊べるかもしれないおもちゃとに区分し、整理しました。

 

研修会に参加することによって、こころほいくの環境の見直しをするいい機会となりました。有意義な研修の場をありがとうございました。

 

たくさんのおもちゃで遊んだ後のもう一つの問題は、除菌・清浄です。

それを見事に解決してくれる優れものを発見しました。ほとんどの木製おもちゃは、木製専用除菌剤「Wood Refresher(ウッド リフレッシャー)」で対応しています。

 絵本などの紙製と布製をどうしたらいいのかが、ようやく解決できました。

 

  

おもちゃの除菌収納ボックス「フラネベビー」
「安心のLEDライト対応」
「NASAが認めた除菌技術で、99.9%の効果あり!

  💛「コロナ感染拡大防止対策支援事業」の一環で買わせていただきました。

 

安心安全の再度点検をして、物的・人的そして施設環境を万全に整えて年の瀬を無事迎えたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

2022年10月30日日曜日

秋の収穫祭

 

私は、「ハロウィン」が大好きです。

ランタンになったかぼちゃは愛嬌があって、可愛いですし、食べ物としてのかぼちゃも栄養価が高く、美味しくて大好きです。そして、何よりもかぼちゃ色は明るくて、元気が出る気がします。

 

ここ数年来、10月に入るのを待って、ハロウィングッズを出し、玄関や部屋などにさりげなく飾って楽しんできました。

 

そんな矢先、県外に転出された利用者さんから嬉しいプレゼントが届けられました。10月が誕生月だったことを覚えていてくださったこともサプライズでしたが、お子さんたちの手作りメッセージが入っていて、かけがえのない宝物をいただいた気持ちになりました。

 

早速、玄関ギャラリーに飾らせていただきました。


3人の子どもたちが、折り紙を折りながらおしゃべりしている姿が

目に浮かんできて、楽しそうな笑い声が聞こえてくるようです。

元気をいただきました。ありがとうございます。

これからも健やかに成長されることを新潟の地で心より願っております。

 

 

260個余の干し柿
吊るした日が違うことから、柿色に濃淡が生まれました
今年も鳥よけの網をつけさせていただきました
鳥さん、ごめんなさい!

 これもまた数年来、恒例になってきた干し柿作りです。毎年、ご近所の方のご厚意で柿をいただきます。今年は、一部を自分たちの手で収穫する作業も体験させてもらいましたので、干し柿用に切ることの大変さを知り、改めてその方のご厚意に感謝いたします。

 

柿の皮を剥き、一つずつ紐に結わえ、軒下に吊るす。作業は確かに大変なのですが、「美味しい!美味しい!」と喜んで食べてくれる人の顔を思い浮かべると、その大変さも張り合いに変わり、「頑張ろう!」という元気が湧いてきます。()

「寒風にさらされて、あまくなれ、あまくな~れ!」と、空を見上げ、願います

 

以前にも触れさせていただきましたが…。

こんな時期でもなければ、「(出来上がった干し柿を)どうぞ召し上がってください。」と、お客様(利用者さん)にお出ししたいところです。(もちろん好き嫌いはあるのですが…。)

 

「美味しいお茶もありますので、ぜひ遊びに来てください。」と、看板に書き、友だちの来訪を心待ちにした赤鬼の気持ちが分かるような気がしてくるのです。(浜田廣介原作「泣いたあかおに」のお話の一節です。)

 

コロナ禍にあって「辛い」と感じる時があります。

お預かりした赤ちゃんを抱っこしていて、顔をじっと見つめられる時があります。そんな時、マスク越しでしか微笑み返しができないことが残念ですね。愛おしさと同時に寂しさを感じる瞬間です。

 

さて、明日はハロウィン。

童心に帰って、呪文を唱えてみようかと思います。

「トリック・オア・トリート!」

浮遊するいろんな悪霊を払えたら…、いいですね!

 

 

2022年10月10日月曜日

おつきさまに見守られて

 

金木犀が咲く頃。



利用者さんの車が発車するのを見送ると、花の香りが漂ってきて、その甘い香りに癒されます。

短時間の預かりとは言え、大切な命をお預かりする仕事をさせていただいていることに緊張する日々ですが、利用者の親子さんの笑顔と共に、一日の仕事を無事終えるとほっとします。

 

今日は十三夜。(満月が見られるかどうか心配な空模様ですが。)

ここ数日お天気が安定していましたので、月が見られる日が何日かありました。だんだんと丸くなっていくお月様を見ていると、「まるでお月様に見守られているような」そんな不思議な感覚になります。いつだったかも、同じようなことがあったような気がします。長い時間お預かりしたHくん(当時3歳)を無事見送った時、「お月様が見守ってくれているなあ」と、ほっとした覚えがあります。

 

Hくんは本が大好きなお子さんで、その日も5,6冊を読んであげました。その中の1冊に、「おつきさまこんばんは」(林明子さく/福音館書店刊)という、どちらかといえば0,1歳向きの絵本ですが、とても気に入っていました。





おつきさまが黒い雲に隠れたかと思うと出てきて、

「あー よかった

おつきさまが わらっている

まんまる おつきさま

こんばんは

こんばんは」   ―文中より引用

 

おつきさまがにっこり笑いかけています。まるで、絵本を見ている子どもに語りかけるように、にっこりと。

 

まんまるお月様に包み込まれるような、ほっこりとした気持ちにしてくれます。 

 

そして…。

最近時々来てくださるKくんは、11か月です。「おかあさん大好き!」時期に入り、いらっしゃると必ず泣く習慣が続いていました。それが回を重ねるにつれ慣れてくれて、泣き方にも変化が見られるようになりました。そして、「今はわざと泣いているのかな?」という、余裕が生まれてきているように感じるほどです。

 

そんなKくんが今大好きな遊びは、「いないいないばあ」です。そして、語尾の「ばあー」がとても上手に言えるのです。

 

そうであれば、おもちゃ遊びの合間に「いないいないばあ」(松谷みよ子さく・瀬川康男え/童心社刊)の絵本を読んであげることにしました。

 

最初は猫のにゃあにゃあが、次にくまちゃん、次々に登場する動物たちといない いない、「ばあっー!」と楽しんでいるKくんの顔は、満面の笑顔です。泣いていたお子さんが、笑顔になる瞬間には感動しかありません。

 

Kくんが次に来られる時があったら、「おつきさまこんばんは」を読んであげたいと思っています。(おつきさまが)出てくると隠れ、そしてまた出てくるが、一種のかくれんぼ、いないいないばあ遊びにつながるものがあるからです。

 

「ばあっー!」と言った時のKくんの顔を想像すると、わくわくしてきます。

 

Kくんにとって、お母さん以外(もちろんお父さんもですが)に安心して甘えられる、信頼できる人に私たちがなれていたならば、それは、それは嬉しいことですね。

 

短時間の預かりは、まさに「一期一会」のお付き合いです。この瞬間としっかり向き合って、お子さんの今を大切に寄り添っていきたいと思います。

2022年9月4日日曜日

6年目を迎える感謝

「暑い!暑い!」と言っているうちに、あっという間に秋の気配を感じる頃となりました。

 今年の夏もいろいろな出来事がありましたね。 異例の速さで明けた梅雨に驚いている間もなく、猛暑と熱中症、全国各地で今も起きている豪雨災害と台風の脅威。3年目になるコロナ禍において、感染することへの不安。いまだ終わりが見えないウクライナでの戦争が起こす惨状と悲劇への憂い。

 数え切れないほどの不安材料ばかりのような…。 
心が痛むことのなんと多いことでしょう!

 そんな中、明るい話題に心が和むこともあります。 その一つが、「マリンピア日本海」にカマイルカの赤ちゃんが生まれたというニュースです。

 近々一般公開されると聞き、公開初日の26日、生後17日目の赤ちゃんとお母さん、カマイルカの親子に水槽越しで逢うことができました。 

 赤ちゃんを守るようにピッタリと寄り添って泳ぐお母さんと、ついていこうと一生けん命泳いでいる赤ちゃんの姿に感動しました。

 24時間体制で見守ってきた職員さんの懸命な努力があってこその姿であることは言うまでもありませんが。 

人間と同じ哺乳類であるイルカ。懸命に子育てする姿は、人間のお母さんの愛情にも通じるものがあると感じました。 

 つい先日訪れた利用者さんは、三人のお子さんを持つお母さんです。 11か月の赤ちゃんKくんともしっかり向き合い、一生懸命に子育てしていらっしゃる姿には、いつも頭が下がります。

 さっきまで機嫌よく過ごしていたKくんでしたが、お迎えのお母さんと顔を合わせて途端、「あーん!」と涙が出てしまいました。大好きなお母さんと再会した安堵感から、「まっていたよー!」と伝えたかったのでしょうね、きっと。 

 「なかなかお医者さんに行くタイミングがなくて…。」と話されていたお母さん。そんなお母さんの頑張りと愛情が、しっかり伝わっているからこそのKくんの涙だったと、私は思います。 

 「お母さん、大好き!」と、目が潤むお子さんや笑顔がこぼれるお子さんをたくさん見させていただきました。そんな時、いつも思います。「お母さんに代わるしばしの間の安心安全基地の居場所でありたい。」と。

 子育ての経験者として、人生のちょっとだけ先輩として、頑張って子育てしているお母さんたちのお手伝いをさせてもらえたら、こんな幸せはないと思い、5年前のちょうど今頃、「こころほいく」を開設させていただきました。

 あっという間の歳月だったような気もしますし、たくさんの利用者さん親子に支えていただいた5年間だったとも言えます。たくさんの笑顔と出会い、かけがえのない時間をいただきました。感謝あるのみです。ありがとうございます。

 節目の月の8月下旬、今年度の監査を無事終えることができました。このことは、ほっとする出来事のもう一つです。(半端ない緊張感でしたので…。笑) お墨付きをいただいた以上、もう少し頑張らせていただきたいと、心新たにしたところです。

 このコロナ禍にあって、利用者さんも途切れがちな昨今ですが、「(預けるところがあって)助かりました。」というお母さんの声が、「こころほいく」を続けていくことの道しるべになっています。

 これからもどうぞよろしくお願いいたします。 

 「実るほど頭が下がる稲穂かな」 かくありたいものです。
6年目を迎え、謙虚さを忘れずに!
「散歩コースにある田んぼの風景/収穫を間近に控えての現在の様子です」

「夏の名残!保育室のグリーンカーテンからの自然の恵み」
今期最終と思われるゴーヤたちとミニトマト。暑さと雨に打ち勝った頑張り屋さん!
           「大切な命を残さずに感謝していただきます」

2022年7月23日土曜日

梅雨の晴れ間の散歩

戻り梅雨と言われる雨空が続いて、なんかカラッとしないこの頃ですが…。 先日訪れた利用者さんは、4歳の誕生日を間近に控えた男の子でした。ご依頼時、「(そちらでは)どんな遊びをしますか?」とお母さまから尋ねられました。ずっと室内で過すことを心配されたのでしょうね。 あいにく、翌日の予報は「雨」となっていましたので、「お天気なら散歩に出かけられるのですが…。」とお答えしました。 さて当日、予報は見事?に外れ、青空になりました。 「散歩に行かれそうですね。」と、お母さまに確認をすると笑顔で答え、ほっとしたようでした。 初めての環境にも順応してくれたAくんでしたが、やや緊張しているようでもありました。電車などのおもちゃ遊びを楽しんでいましたが、一つのおもちゃに集中する時間が短くなってきた頃合いを見て、声をかけました。体内時計がうずうずする頃です! 「お散歩に行く?」と誘うと、「うん!」と即答したAくん。 「降りたくなったらいつでも教えてね。」の条件付きで、まずは散歩カーに乗って、いざ出発です。 「川を泳ぐ魚」「田んぼとカモ」「青空を忙しそうに飛んでいくカラス」等々を見ながら、自然への気づきとなるように声がけをし、「走り抜ける車」に注意をして止まったり進んだり、スシローやイオン、ガソリンスタンドなどの商業施設を眺めながら一巡しました。 地域を巡る散歩にはさほど魅力はなかったかもしれませんが…。 車の往来がほとんどない家の周辺に来て、散歩カーから降りることにしました。 手をつないだり、安全確認をして手を離したりしながら様子を見ていると…。 一人歩きをするAくんの足取りが変わり、スキップしたり走ったり、鼻歌も聞かれ、身も心もすっかり軽やかになりました。 家に戻り水分補給をしたAくんは、おしゃべりも活発になり、私たちに積極的に働きかけてくるようになりました。ちょっぴり緊張した面持ちのAくんとは別人のようでした。 すっかり気分が解放され、安心感と信頼感でこんなにも子どもって変わるものなのだと改めて気づかされた出来事でした。 お迎えの時間が近づく頃には、些細な出来事にもこけそうなほどに大笑いし、あっという間の6時間でした。 こんな楽しい時間を過ごさせていただき、感謝、感謝です。 だから…やめられないのですね。(笑)
    <発見!ブロック塀を散歩するカマキリの子どもです。>   この数日後、なんと!!カマキリがハチを捕まえているリアルな瞬間とAくんが庭で遭遇しました。お母さんがお迎えにいらっしゃると、両手でハサミを作り、カマキリの話を教えていたAくんでした。 Aくんにとって衝撃的な出来事だったのでしょうね。

2022年7月7日木曜日

七夕に寄せて

雨が大好きなアジサイの花が季節の変化においていかれそう!

梅雨期のうっとうしさをあまり感じることもないまま、あっという間に暑い夏がやってきました。

 

そんな中、かっこうの鳴き声を聞くと、「カッコウー!カッコウー!」(「おはよう!おきてー!」)と言われているような…。おかげさまで、朝から爽やかな気分にしてもらっています。()

 

 先日お預かりさせていただいたお子さんは、ほぼ半年ぶりの再会だったのですが、終始機嫌よく過ごしてくださいました。

 

前の記憶があったのかどうかはわかりませんが、マスクを通しての対面も、受け入れの気持ちを笑顔で伝えることで、しっかりと通じていることが分かり安心しました。

 

3月、市主催による健康講座をオンライン受講しました。タイトルは、「こどもと新型コロナウイルス感染症」についてで、今時な内容でした。市民病院小児科の山中崇之医師によると、「マスクをしても喜びは伝わりやすい」(調査データーに基づき)とのお話が印象に残りました。

 

お子さんを継続的に毎日見ている保育園とは違い、今回のようにしばらく振りにお預かりすることがほとんどの「こころほいく」では、このお話がよく分かります。

 

「あなたのこと大好きだよ!」のメッセージをいかに短時間のうちに伝え、しばらく振りあるいは初めての人や環境に馴染んでいただくことが、「こころほいく」の課題です。

 

マスク顔で迎えたおばさん、おじさんにもいち早く慣れてくれたKくん。

「車のおもちゃが好きだったかな?」の予測が見事に当たり、電車と線路、車のおもちゃにほぼ集中して遊んでくれました。

 

おもちゃを出しすぎることで気持ちが散漫にならないように、かつての反省を生かし、この日はダイジェスト版にしてみました。時々「(青)虫取り」遊びも導入してみると、「はらぺこあおむし」好きなKくんにとっては、これまたタイムリーなことだったようです。「はらぺこあおむし」の絵本を読むことへ発展することもできました。

 

室内遊びと地域に出かける散歩、静と動の遊びを組み合わせることで、あっという間の4時間半を楽しく過ごしてもらうことができました。

 

「保育事故が多い」という話を聞きますが、安心・安全の上にこそ楽しい保育が成り立ちます。そういう意味では、お迎えにいらっしゃった保護者様に無事お子さんを手渡すことができた時、ほっと安堵の胸をなでおろしているこの頃です。

 

この日のKくんは、2,3日前に熱が出ていて、「当日は見合わせるかもしれない」という、ただし書き付きのご依頼でした。「熱が出て、予定通りには出かけられない。」小さいお子さんがいらっしゃる家庭には、よくあることです。「元気になるといいですね。その時にはお待ちしています。」とお伝えしました。

 

こんな経緯があっての当日だったので、元気になって何よりのことと思い、心より喜んでお迎えした次第でした。本当に良かったです!

 

77日。今日は、五節句の一つ「七夕」ですね。

「年に一度、天の川を渡って織姫と彦星が逢えますように!」にあやかり、短冊に願い事を書き、星に願いを込める「星祭」でもあります。

 

「(すべての)子どもたちが、明るく元気で過ごせますように!」

 「戦争が早く終わりますように!!平和な世界を望みます!」

 

ミモザに訪れた夏のトンボ
ミモザの花言葉は、「感謝」「友情」です。
今年植えたばかりなので、花を咲かせてはいませんが…。


2022年5月30日月曜日

命の営みと生きる力

 昨年訪れてくれたツバメの再来をひそかに期待し、車庫の入り口(シャッター)を開けてウエルカム体制を整えていました。

 

そんなある日のこと。カラスの乱入により、我が家のゴミ(生ごみ含め)は、目の前の道路にまき散らされてしまったのです。これにより、秘めた願いはTHE ENDとなりました。

 

ツバメさん、ごめんなさい!と言わざるをえません。いずれも生きるための必死な営みだと思うと、カラスだけを責められないように感じています。人間目線で言わせてもらえば、大迷惑ですが…。

 

先日のこと。

 郵便配達の方が訪れた際、玄関に出てみると足元にアゲハチョウが止まっていました。一生懸命に羽ばたいているのですが、片方の羽が切れているではありませんか。小さな、ちいさな命ですが、その切なさが伝わってきて胸が熱くなりました。

 翌日…。

 草取りをしようと庭に出ると、羽ばたいているアゲハチョウが目に入りました。なんと、なんと!!あの片方の羽がちぎれている、昨日見た蝶々だったのです。一生懸命に生きていたことに感動しました。「がんばれ!」

 

一生懸命に羽ばたくアゲハチョウ

 この頃。

さらに小さい生き物であるアリの活動が活発化する季節でもあります。1匹だけ見ていると可愛いのですが、群れとなり、行列で来られると正直な感想として、へきえきしてしまいます。遠慮なく室内にも入ってくるので、保育室へは、「入室禁止!」とさせていただいています。

 

 そんなこんなで、生きとし生けるもの、草花、木々…、一生懸命生きている姿に、感動をいただいている日々です。

 

 こころほいくの利用者さん、子ども達も、みんな一生懸命に今を生きていると感じます。「わたしをみて!、みて!」と、声で、態度で表現してくれます。「わたしのこと、ちゃんと見ていてね!」のサインをしっかり受けとめ、「わかったよ。ちゃんと見ているよ!」と笑顔で返します。片時も気を抜いている間などありません。お陰様でしっかり仕事をさせていただいております。

 

 昨日お預かりしたお子さんは、2か月の赤ちゃんだった頃から4年のお付き合いをさせていただいております。この間、保育園に入園されてから以降も年に数回お顔を見せてくれていましたので、顔も環境も覚えていて、すっかり慣れ親しんで過ごしています。おばあちゃん、おじいちゃんの家に遊びにきているような心持なのでしょうね。()

 自分がやりたいこと、遊びたいことを全部受け入れてもらえる(受容)という安心感の中で、伸び伸びと遊んでいたHくんでした。

 

人間としての根っこの部分、乳幼児期において「自己肯定感」がしっかりと育ち、基本的信頼関係がつくられているからこそだと思います。「あなたはあなたのままでいいんだよ」というメッセージを送ることで、「わたしはわたしのままでいいんだね」の自信・自尊感情に繋がっていきます。

 

今も見る人たちに感動を与えてくれる法隆寺の五重塔は、飛鳥時代に建てられた日本最古の塔です。「しっかりした土台に建てられた五重塔」と、児童精神科医の佐々木正美先生は、ご著書「子どもへのまなざし」の中で書かれています。乳幼児期の子育ての大切さ、基礎がいかに大切であるかをこのことに例えられています。

 

「自己肯定感・自尊感」の上に、「生きる力」が培われていくものと信じます。

辛い時、苦しい時、この「生きる力」が後押しをしてくれるものだと思います。

 

 そして…。

子どもと絵本が出会う時、絵本から元気をもらったり、達成感を感じたり、迷った時に道標をもらったり、きっとたくさんのパワーをもらうことでしょう。

 

上段/左 「おおかみと七ひきのこやぎ」 右 「せんたくかあちゃん」
中断/左 「おおきなかぶ」    右 「すいかのたね」
下段/左   「ぱくぱく はんぶん」は新刊の絵本で、
くすっと笑える優しさと愛情にあふれる絵本です
   下段/右 「わたしのワンピース」
いずれも 福音館書店刊

 Hくんの大好きな定番の絵本5冊と前回のおもちゃと同様に補助金より購入させていただいた新刊本の1冊です。活動的な遊びやおもちゃ遊びの合間に「読んで!」と選んで持ってきた絵本です。いろんな場面で成長した姿を見せてくれたHくんですが、絵本好きなHくんはそのままでした。嬉しいことです。

 

 これらの絵本体験が、Hくんの成長過程の中で、生きる力の一助となることを願っています。


2022年5月12日木曜日

💛おもちゃとの嬉しい出会い

 

新潟市よりの情報提供:Part2です。

毎年5月5日の「子どもの日」からの1週間を「児童福祉週間」と定められています。令和4年度から同期間を「子どもの権利週間」と定め、児童福祉週間と連携した「新潟市こども条例」(令和441日から施行)の周知・啓発の取組を推進するために、子育て応援キャラクター「ほのわちゃん」の塗り絵のデーターが、市より送付されてきました。

こころほいくの利用者さんは、01歳の小さい方が多いので、代表して塗り絵に挑戦させていただきました。

 

 

新潟市子育て応援キャラクター「ほのわちゃん」

 ●新潟市とのつながりで、紹介させていただきます。

 この度、

「新型コロナウイルス感染拡大予防対策支援事業」より、マスクや除菌剤をはじめ、おもちゃや絵本、空気清浄機などを購入させていただきました。

 おかげ様で、読んであげたい絵本やおもちゃの数がうんと増えました。

 こころほいくでは、お子さんが密になることはありませんが、“なめなめ期”のお子さんや探索活動が盛んな時期のお子さんをお預かりすることがほとんどなので、おもちゃが潤沢にあるのは、嬉しいことです。

 とは言え、こんな時期ですから、おもちゃなどの衛生管理と誤嚥事故防止には、十分な配慮が必要です。

 そこで…。

やはり、木製のおもちゃを選ばせてもらいました。温かなぬくもりがあるだけでなく、木と木が触れ合う音色が何とも心地よく、環境に優しいのも魅力です。お子さんだからこそ、いい物との出会い、触れ合いを大切にしたいですね。

 

左から ドラム玉落とし(カラカラころころと木の玉が転がります)
SEボール(布の手触りと音色の違いが楽しい!)
クロースボール・レインボー(つかまりやすく、投げる、転がるが自在)


左から スロープ人形(ぞう)/ゆっくりカタコトくだります
型はめこみ遊び/面取りされていて手触りもいい
ラトル(カラーロール)/木の玉と共に転がる音色が優しい

 

子どもたちが実際にどう遊んだのかは、折を見て紹介させていただこうと思います。

 初めての補助金の申請でドキドキしましたが、結果オーライでした。

子どもたちにたくさん遊んでもらい、こんな時だからこそ、豊かな心を育んで欲しいと願い、その一助とさせていただきたいと思います。

いろいろアドバイスをしてくださったクルテクの横山さんには、感謝です。

ありがとうございました。

2022年5月7日土曜日

「こどもの日」に心寄せて

 

青空と鯉のぼり、水がはられた田んぼと緑の苗、巣作りの場所を探すツバメのさえずりなど、季節の変わり目を知らせてくれています。

風薫るさわやかな季節の到来ですね。


一昨日は、「こどもの日」でした。

我が家は、利用者さんがいらっしゃらない合間を見ての洗濯日和で大忙しでした。物干し場をフル稼働させ、絵本「せんたくかあちゃん」の世界感さながらの爽快感を味わいました。

先日、市より「新潟市子ども条例」の情報提供がありました。

【第1章】        総則による基本概念によると、

「子どもは、一人の人間として尊重され、今を豊かに生き、成長発達する権利を子ども固有の基本的権利(子どもの権利)として有しています。」と、記されてあります。

「この権利を実現するために、次の権利が保障されなければならないとあります。

〇身近なおとなに、いつでも自由に思いや願いを表明し、ありのままに受け止めてもらい、適切に応えてもらうこと。

〇自然、仲間、地域及び社会との関りの中で生きること。」と続いています。


 昨日のことです。

5か月と2週間余の女のお子さんをお預かりさせていただきました。

すでにしっかりとした意思を持っていらっしゃることを場面ごとに感じつつ、

保育させていただきました。

赤ちゃんですから、「お腹がすいたよー!」「眠たいよー!」の訴えは当たり前。

抱き方や立ち位置、抱き手の違いなどの微細な事柄にも、「あーあー!」と声を

発し、関わる私たちおとなに訴えかけてきてくれます。

まさに、「いつでも自由に思いや願いを表明し、ありのままの自分を受け止めてもらいたい」そのものであり、

「適切に応える」行為で関わらせていただきました。

満たされたEちゃんは、しっかり笑顔で返してくれます。

結果、終始お互いが笑顔の中で、お預かりをさせていただきました。

こうした応答関係の中で愛着関係を育んでいくのだろうと、実感させていただいた1日となりました。

子どもの笑顔が絶えない社会をつくること、子どもの生きる権利を守ることは、大人の責務です。

「こどもの日」が祝日となった主旨である、「すべての子どもの健やかな成長と幸福を願って」の実現が、日本のみならず世界中の子どもたちに広がることを心より願っております。



さて、

平和を願い、一碗のお茶を点てさせていただきました。

こころほいくの「こどもの日」は、協力者である夫と共に一服のお茶を

いただくことが習わしになりそうです。(笑)

2022年4月19日火曜日

平和への祈り

 

💛ウクライナ民話「てぶくろ」

  エウゲーニー・M・ラチョフ  うちだ りさこやく  福音館書店刊


以前にも紹介させていただきましたが、子どもたちの大好きな絵本の中の1冊でした。絵本の中に入る前に必ず読むのが、表紙の部分です。作者名を子どもたちに伝え、読んでいました。「てぶくろ」は、「ウクライナ民話」と読むところから始まっていきます。

憂うことが多い中、「ウクライナ民話」のワードが、ずっしりと心に深く入ってきました。

民話は、民衆の中から生まれ伝承されてきたもの、その土地の生活に根づいてきた文化だと思います。

なぜこの物語が劇遊びにまで発展できたのかと改めて考えてみました。

 おじいさんが森の中にてぶくろを落とし、いってしまったところからこの物語は始まっています。そこへねずみがやってきて、てぶくろを「家」に見立て暮らしはじめます。そして次々に、かえる、うさぎ、きつね、おおかみ、いのしし、くまがやってきて、「わたしも いれて」と「家」に入ることを乞うのです。

「どうぞ」

大人の感覚では「入るわけはない」と思いつつも、子どもたちはファンタジーの世界にすっと入り込んで、その動物になり切ってこのかけ合いを楽しんでいました。あり得ないようなことをなんとかしてしまう展開の面白さや、「どうぞ」と相手に手を差し伸べ、思いやる優しい気持ちに心惹かれたのだと思います。子どもたちに最も伝えたい「大切な心」だと私は、信じています。今だからこそ、という思いも大きいです。

 

「こんな時に自分に何ができる?」と心に問う日々。

 

「私にできることは、今、させていただいている仕事(大切なお子さんをお預かりする)を全うすること。お子さんの笑顔をたくさん増やしていけるように初心を貫くことしかない。」という思いに至りました。


 本当に微力です。歯がゆいことの多い日々ですが、もう少し続けさせていただこうと、思いを改めてかみしめております。感謝するばかりです。

ありがとうございます。

 

🌸我が家の庭に春一番を知らせてくれたレンギョウ(花言葉は「希望」)

と ムスカリ(花言葉は「通じ合う心」「明るい未来」)です。


同じ空の下にいるウクライナの子どもたちに「明るい未来」が来ることを

願い、希望を託したいと思います。(祈り💛

2022年4月12日火曜日

巣立ちの季節

“♪春ですよー 春ですよー♪ そよそよ小風がいいましたー♫”  懐かしい歌のフレーズが、ふと頭をよぎりました。    レンギョウの黄色の花に癒され、白木蓮のつぼみにほっこりしています。ここ数日の気温の上昇で桜もあっという間に満開になり、  自然の移ろいは裏切ることなく春を運んできてくれました。  春は、新たな出会いの季節でもあります。  また、入園入学の巣立ちの季節ですね。    この季節になると読んでいた、大好きな絵本があります。                  💛「こすずめのぼうけん」
         ルース・エインワース作 石井桃子訳 堀内誠一画  福音館書店刊  おかあさんすずめから、飛び方を教えてもらったこすずめが、いくつかの冒険を経て、巣から飛び立って成長していく物語です。    その過程で、疲れたはねを休ませようとするのですが、からすに言われます。  「おまえ、かあ、かあ、かあっていえるかね?」  「いいえ、ぼく、ちゅん、ちゅん、ちゅんってきりいえないんです」と、こすずめは いいました。  「じゃ、なかへ いれることはできないなあ。おまえ、おれの なかまじゃないからなあ」  つぎつぎに出会うやまばと、ふくろう、かもと、このやりとりを繰り返すのですが、    疲れたはねを休ませることができないこすずめ。  あたりは 暗くなりはじめ、ちいさい すずめは、もう とぶことが できなくなっていました。  そこで出会ったとりに くたびれた こすずめは いいました。  「ぼく、ちゅん、ちゅん、ちゅんってきり いえないんですけど」  「もちろん、なかまですとも」と、そのとりは いいました。  「わたしは、おまえの おかあさんじゃないの。きょうは、いちにち、 おまえを さがしていたんですよ。  わたしの せなかに おのり。いえまで おぶっていってあげるから」  このお話のクライマックス場面です。  おかあさんすずめにおぶわれて 無事 巣に戻ることのできた こずずめ。  『それから、こすずめは、おかあさんの あたたかい つばさのしたで ねむりました』と、お話は結ばれています。  上手く出来ないことを責めることもなく、冒険に挑んでいるこすずめを温かく見守るすずめのおかあさん。  おかあさんの愛情に包まれて、安心して眠りにつくこども。読み終わるころには、お母さんの優しさや深い愛情が伝わってきて、  こころがほっこりして温かな気持ちにしてくれます。  「あなたの傍には、あなたを愛してくれるお母さんがいるから大丈夫だよ。」  「こんなメッセージが子どもたちに伝わってくれたらいいなあ。」という思いを込めて、読んでいました。    今もその思いは、変わりません。  お母さんがお迎えにいらっしゃった時に見せるお子さんの笑顔。お子さんに向けるお母さんの優しいまなざし。   その瞬間を見せていただけることに喜びをいただいております。  お母さんという安全基地があるからこそ、子どもはそこを基点にして巣立っていけるのだと思います。  巣立ちの季節。  「こころほいく」では、入園という節目はありませんが、お子さんにとっては「初めての慣れない環境」です。  涙がたくさん出ることもあります。  お子さんが、安心して、楽しく過ごしていただくことと、信頼して預けてくださったお母さんに安心していただくことが、  何よりの「こころほいくの願い」です。  最大限のウエルカムの気持ちでお預かりさせていただきます。  今年度もどうぞよろしくお願いいたします。

2022年3月3日木曜日

3月3日「ひな祭り」

保育園に勤務していた頃、ひな祭りとお茶会をドッキングさせて、保護者の方をお招きして祝う「ひな祭り茶会」を催しておりました。 20代の頃から裏千家の茶道を習っています。そんな因縁から、会の企画と当日のお点前は私の役割としてやってきました。そんなこともあったかと懐かしく思い出しています。突如、記憶のタンスの奥からするりと引き出されてきました。 「一碗からピースフルネスを」 裏千家第15代前家元の千玄室大宗匠が唱えられた言葉です。家元になられた当時からこの言葉をスローガンに掲げて、世界各国63ケ国以上(数年前の情報ですが)を回っていらっしゃられ、98歳を過ぎた今もお元気で活動されていて、頭がさがるばかりです。特攻隊員としての戦争での経験が大宗匠を突き動かしているのだと、私は思います。だからこそ、この言葉には重みがあるのだと感じています。入門した時から折々にふれ、ずっと聞いてきたこの言葉が、今だからこそ、ズンと重くのしかかってきます。家元の足元にも到底及びもつきませんが…。 タイムリーに利用者さんがいらっしゃらなかった今日、こころほいくでは、大人二人の「ひな祭り茶会」となり、共にお抹茶を点て合い、和菓子と一緒にいただきました。 「一碗からピースフルネスを」心から願います! 罪もない子どもから、笑顔を奪うようなことが絶対にあってはいけません!

2022年2月27日日曜日

もうすぐ3月「ひな祭り」

 玄関(ギャラリー?)にお雛様を飾るようになって、数年経ちます。 「内裏雛があれば…。」とあるつもりで見立て、満足していました。 ところが、先日程よい大きさの雪洞を発見し、迷うことなく購入して飾りました。そして、またまた程よい大きさの(和紙製の)菱餅を発見し、気分上々!そうなると、赤い毛氈を敷いたのを見たくなり、赤のフェルトで代用してみました。 やはり!雪洞などの脇役があるだけで随分「映えるな!」と、ひとりニンマリしているところです。 「あるつもり」と言えば…。
こころほいくでの遊びの環境の一つに、歩けるようになった頃のお子さん用に 小さな流し台とちょっと大きめなものとの2台を置いています。性別に関わら ず、ままごと遊びが好きなお子さん用に準備した環境です。模倣遊びができるよ うになる頃。お家の人がしていることの再現遊びが見られるようになります。流 し台のオーブンの扉を開け、おもちゃを中に入れると、コンロのスイッチを器用 に回し料理しているつもりで遊んでいます。蛇口をひねり、「ジャー!」とお茶 (?)を入れると、「どうぞ!」と出してくれるのです。「ありがとう。」 「ごちそうさまでした。」と遊びを共有した楽しさで、会話も膨らんできます。 2歳を過ぎて語いが増えてくる頃。「〇〇は?」と具材そのもの、魚や人参などを模った遊具が欲しくなるようです。 こころほいくでは、イメージするものに自在に変われるように応答性のある色 とりどりのお手玉や花おはじき、チェーンなどを具材用に用意しています。 橙色のお手玉は人参だけでなく、蜜柑になり、見立て次第でいかようにも変化 できる広がりや楽しさがあります。お子さんの想像力を育めるような手助けが 出来たらいいなと思っています。見立ての醬油やジュースの瓶に詰めた紙テー プを引っぱり出して遊んでいたお子さんも、経験を重ねていくにつれ、「瓶をふ る」だけでつもりの遊びを楽しんでいる姿が見られるようになりました。そんな お子さんの成長する姿を共有させていただいている喜びを感じるこの頃です。 もうすぐ3月。「ひな祭り」の節句の由来は、女の子の健やかな成長と幸せを願って始まったものと聞いております。国内外で暗いニュースが続き、心の痛むことが多いこの頃ですが、「子どもの権利」が守られる社会であって欲しいですね。子ども一人ひとりがかけがえのない存在です。以前も紹介させていただきましたが、昨年6月に上野動物園で生まれた双子のパンダの赤ちゃん、シャオシャオ(暁暁)とレイレイ(蕾蕾)の命名に託された願いである「明るい未来」がきっと来ると信じます。 お預かりした目の前にいるお子さんの笑顔を守っていけるように、足元をしっかり見ていきたいです。こうして仕事を続けさせていただけることに感謝、感謝です。

2022年2月2日水曜日

節分そして立春

明日は「節分」ですね。そして翌日は「立春」です。
昨夜降ったふわふわの雪もあっという間に解けてくれて、春がそこまできているように感じます。 草花が芽吹きの季節、春。 春と聞くと、心が浮き立ってくるようです。 今年こそはお花見に行きたいと思っていたのですが、果たしてその夢は叶うのかどうか、このコロナ禍の中、 先が見通せない現実があります。 「出かけたいけれど出かけられない。」それはお母さまたちも同じですね。 こころほいくも同じ状態です。そんな中で、依頼のお電話をいただくことは、 大変な重みがあることだと感じています。今まで以上に万全の注意を払い、「安心と安全」 の保育ができるように努めていきたいと思います。 感染予防を配慮しての予算を見越し、新しいおもちゃを買わせていただきました。
「飛行機のモビール」です。 人と人をつなぐ大切なツール「おもちゃ」です。 空気清浄機の上に吊るしてみたのですが、空気の流れに乗ってゆったり動くことで 赤ちゃんを魅了してくれています。人見知りが始まる前の赤ちゃんであっても、いつもの 環境との違いを敏感に察知していますね。賢いです!本当に。 そんな時。 赤ちゃんの目線に合うように抱っこし、「飛行機だね。」「気球だね。」と少し揺らしてやると、赤ちゃんの目がキラっと輝きます。飛行機が何なのか分からなくても、言葉の力や響きを通して、赤ちゃんとの繋がりを感じる瞬間です。 お子さんが選択できるおもちゃの数が増えたことで、除菌消毒と共に感染予防に繋げていきたいと思います。 初めて利用してくださる方はもちろんですが、下の方が生まれて3年ぶりにご連絡くださった方、開設以来断続的に利用してくださる方、たくさんの方々に支えられて「こころほいく」の今日があります。 節分を目前に、改めて感謝申し上げます。

2022年1月7日金曜日

年頭にあたって

明けましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。 松の内最終日、滑り込みのご挨拶になってしまい、大変失礼いたしました。 年賀状でのご挨拶で完結したような錯覚をしておりました。 そんな中、嬉しいお便りが届きました。 「こころほいくがあることで安心です😊💛。お体に気をつけて、ず~っと続けてほしいです!」 勝手ながら一部を紹介させていただきました。 年が改まり、もう少し続けさせていただきたいという思いに大きく背中を押してもらった気持ちです。ありがとうございます。 「こころほいく」を必要としてくださっている方々に寄り添えるよう、今年も精進してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願い いたします。