昨年訪れてくれたツバメの再来をひそかに期待し、車庫の入り口(シャッター)を開けてウエルカム体制を整えていました。
そんなある日のこと。カラスの乱入により、我が家のゴミ(生ごみ含め)は、目の前の道路にまき散らされてしまったのです。これにより、秘めた願いはTHE ENDとなりました。
ツバメさん、ごめんなさい!と言わざるをえません。いずれも生きるための必死な営みだと思うと、カラスだけを責められないように感じています。人間目線で言わせてもらえば、大迷惑ですが…。
先日のこと。
郵便配達の方が訪れた際、玄関に出てみると足元にアゲハチョウが止まっていました。一生懸命に羽ばたいているのですが、片方の羽が切れているではありませんか。小さな、ちいさな命ですが、その切なさが伝わってきて胸が熱くなりました。
翌日…。
草取りをしようと庭に出ると、羽ばたいているアゲハチョウが目に入りました。なんと、なんと!!あの片方の羽がちぎれている、昨日見た蝶々だったのです。一生懸命に生きていたことに感動しました。「がんばれ!」
この頃。
さらに小さい生き物であるアリの活動が活発化する季節でもあります。1匹だけ見ていると可愛いのですが、群れとなり、行列で来られると正直な感想として、へきえきしてしまいます。遠慮なく室内にも入ってくるので、保育室へは、「入室禁止!」とさせていただいています。
そんなこんなで、生きとし生けるもの、草花、木々…、一生懸命生きている姿に、感動をいただいている日々です。
こころほいくの利用者さん、子ども達も、みんな一生懸命に今を生きていると感じます。「わたしをみて!、みて!」と、声で、態度で表現してくれます。「わたしのこと、ちゃんと見ていてね!」のサインをしっかり受けとめ、「わかったよ。ちゃんと見ているよ!」と笑顔で返します。片時も気を抜いている間などありません。お陰様でしっかり仕事をさせていただいております。
昨日お預かりしたお子さんは、2か月の赤ちゃんだった頃から4年のお付き合いをさせていただいております。この間、保育園に入園されてから以降も年に数回お顔を見せてくれていましたので、顔も環境も覚えていて、すっかり慣れ親しんで過ごしています。おばあちゃん、おじいちゃんの家に遊びにきているような心持なのでしょうね。(笑)
自分がやりたいこと、遊びたいことを全部受け入れてもらえる(受容)という安心感の中で、伸び伸びと遊んでいたHくんでした。
人間としての根っこの部分、乳幼児期において「自己肯定感」がしっかりと育ち、基本的信頼関係がつくられているからこそだと思います。「あなたはあなたのままでいいんだよ」というメッセージを送ることで、「わたしはわたしのままでいいんだね」の自信・自尊感情に繋がっていきます。
今も見る人たちに感動を与えてくれる法隆寺の五重塔は、飛鳥時代に建てられた日本最古の塔です。「しっかりした土台に建てられた五重塔」と、児童精神科医の佐々木正美先生は、ご著書「子どもへのまなざし」の中で書かれています。乳幼児期の子育ての大切さ、基礎がいかに大切であるかをこのことに例えられています。
「自己肯定感・自尊感」の上に、「生きる力」が培われていくものと信じます。
辛い時、苦しい時、この「生きる力」が後押しをしてくれるものだと思います。
そして…。
子どもと絵本が出会う時、絵本から元気をもらったり、達成感を感じたり、迷った時に道標をもらったり、きっとたくさんのパワーをもらうことでしょう。
上段/左 「おおかみと七ひきのこやぎ」 右 「せんたくかあちゃん」 中断/左 「おおきなかぶ」 右 「すいかのたね」 下段/左 「ぱくぱく はんぶん」は新刊の絵本で、 くすっと笑える優しさと愛情にあふれる絵本です 下段/右 「わたしのワンピース」 いずれも 福音館書店刊 |
Hくんの大好きな定番の絵本5冊と前回のおもちゃと同様に補助金より購入させていただいた新刊本の1冊です。活動的な遊びやおもちゃ遊びの合間に「読んで!」と選んで持ってきた絵本です。いろんな場面で成長した姿を見せてくれたHくんですが、絵本好きなHくんはそのままでした。嬉しいことです。
これらの絵本体験が、Hくんの成長過程の中で、生きる力の一助となることを願っています。