2022年4月12日火曜日

巣立ちの季節

“♪春ですよー 春ですよー♪ そよそよ小風がいいましたー♫”  懐かしい歌のフレーズが、ふと頭をよぎりました。    レンギョウの黄色の花に癒され、白木蓮のつぼみにほっこりしています。ここ数日の気温の上昇で桜もあっという間に満開になり、  自然の移ろいは裏切ることなく春を運んできてくれました。  春は、新たな出会いの季節でもあります。  また、入園入学の巣立ちの季節ですね。    この季節になると読んでいた、大好きな絵本があります。                  💛「こすずめのぼうけん」
         ルース・エインワース作 石井桃子訳 堀内誠一画  福音館書店刊  おかあさんすずめから、飛び方を教えてもらったこすずめが、いくつかの冒険を経て、巣から飛び立って成長していく物語です。    その過程で、疲れたはねを休ませようとするのですが、からすに言われます。  「おまえ、かあ、かあ、かあっていえるかね?」  「いいえ、ぼく、ちゅん、ちゅん、ちゅんってきりいえないんです」と、こすずめは いいました。  「じゃ、なかへ いれることはできないなあ。おまえ、おれの なかまじゃないからなあ」  つぎつぎに出会うやまばと、ふくろう、かもと、このやりとりを繰り返すのですが、    疲れたはねを休ませることができないこすずめ。  あたりは 暗くなりはじめ、ちいさい すずめは、もう とぶことが できなくなっていました。  そこで出会ったとりに くたびれた こすずめは いいました。  「ぼく、ちゅん、ちゅん、ちゅんってきり いえないんですけど」  「もちろん、なかまですとも」と、そのとりは いいました。  「わたしは、おまえの おかあさんじゃないの。きょうは、いちにち、 おまえを さがしていたんですよ。  わたしの せなかに おのり。いえまで おぶっていってあげるから」  このお話のクライマックス場面です。  おかあさんすずめにおぶわれて 無事 巣に戻ることのできた こずずめ。  『それから、こすずめは、おかあさんの あたたかい つばさのしたで ねむりました』と、お話は結ばれています。  上手く出来ないことを責めることもなく、冒険に挑んでいるこすずめを温かく見守るすずめのおかあさん。  おかあさんの愛情に包まれて、安心して眠りにつくこども。読み終わるころには、お母さんの優しさや深い愛情が伝わってきて、  こころがほっこりして温かな気持ちにしてくれます。  「あなたの傍には、あなたを愛してくれるお母さんがいるから大丈夫だよ。」  「こんなメッセージが子どもたちに伝わってくれたらいいなあ。」という思いを込めて、読んでいました。    今もその思いは、変わりません。  お母さんがお迎えにいらっしゃった時に見せるお子さんの笑顔。お子さんに向けるお母さんの優しいまなざし。   その瞬間を見せていただけることに喜びをいただいております。  お母さんという安全基地があるからこそ、子どもはそこを基点にして巣立っていけるのだと思います。  巣立ちの季節。  「こころほいく」では、入園という節目はありませんが、お子さんにとっては「初めての慣れない環境」です。  涙がたくさん出ることもあります。  お子さんが、安心して、楽しく過ごしていただくことと、信頼して預けてくださったお母さんに安心していただくことが、  何よりの「こころほいくの願い」です。  最大限のウエルカムの気持ちでお預かりさせていただきます。  今年度もどうぞよろしくお願いいたします。