2023年5月13日土曜日

「おかあさんだいすき」

 

ようやく五月晴れが戻ってきました。

こころほいくの散歩道にある田んぼに水が張られ、今年も無事田植えが終わったようです。この苗がすくすく成長し、やがて稲穂になり、秋には収穫の時を迎える。毎年繰り返されているこの自然の営みを見ていると、元気がもらえるような気がします。日本の農業(農家さん)が頑張る姿にエールを送りたくなるのは、私だけでしょうか!?

 

 さて…。

こころほいくの利用者さんの中にも、この春入園入学されたお子さんがいらっしゃると伺っております。無事5月の壁を乗り越え、新しい環境に慣れてきた頃でしょうか。

 

先月の話になりますが、こども園に明日明日入園するという2歳5か月のRくんをお預かりした時のことです。

 

初めての環境場所に、臆することもなく、お母さんともさらっと別れ、即遊び始めたRくん。気に入ったおもちゃを見つけると、楽しそうに遊んでいたRくんでした。私たち大人にもすっかり馴染んでくれていましたので、「園生活の経験があるから慣れていらっしゃるんだな。」と、思っておりました。持ち物には「〇〇こども園〇〇〇」と書かれてありましたので、すでに入園されているお子さんだと思っていたのです。

 

絵本を読んだり、お話をしたり、たくさんのおもちゃで遊んでいるうちに、あっという間に時間が過ぎていきました。

 

3時間後、お母さんがお迎えに来られました。その時、数分前までとは全く違うRくんの姿に驚かされました。

 書類を書いているお母さんの背中にずっと負ぶさって、甘えていたRくん。この姿こそが、2歳5か月のお子さんらしい、本来の姿だと思いました。Rくんなりに、けなげにも一生懸命我慢をしていたのですね。

 

 Rくんのプロフィールをこの時にお聞きして分かったのですが、入園を明後日に控えているとのこと。慣れていらっしゃる様子から、入園していると思ったのは、私たちの勝手な思い込みだったのです。

 

「一人ひとりを大切に、子どもの心に寄り添った細やかな保育」を信条にしながら、言葉だけで終わっていなかったか、Rくんの心に気づいてやれなかったことを反省させられた出来事でした。

 

自我のめばえと共に自己主張が活発になり、「イヤイヤ期」真っただ中にいる2歳の頃ですが、この日のRくんの姿からは、我慢することもしっかり学んでいることを教えてもらったように思います。

 

Rくん、お母さんがお迎えに来るのを待つことができて、えらかったね!」と、褒めてあげたいと思いました。

 

この仕事をさせていただく中で、これまでたくさんのことを学ばせていただきましたが、まだまだ学ぶことが多いと感じるこの頃です。

 


まーじょりー・ふらっく さく 岩波書店刊

         

       「おかあさんだいすき」

大好きなおかあさんの誕生日にあげるものを見つけに出かけた主人公だにー。

出会った動物たちに相談してみるのですが、にわとりのうんだ卵もだちょうのはねの枕もみんなもっているものばかり。なかなかいいものが見つけられません。最後に森に行っただにーは、くまさんからいいことを教えてもらいました。

それは、おかあさんのくびにぎゅっとだきつくことだったのです。

おかあさんのくびにぎゅっとだきついてほおずりした主人公だにー。その嬉しそうな顔が、Rくんの笑顔と重なります。明日は、大好きなお母さんの日ですね。