2023年11月8日水曜日

秋の装い

 

 
毎年の恒例になった軒下の干し柿
この後、さらに追加されておよそ400個になりました
収穫してくださる〇〇さんのご厚意に感謝です

 
 街路樹が色づき、すっかり秋の装いですね。 
 読書の秋、芸術の秋、スポーツの秋、そして食欲の秋などなど。
 私事ですが、誕生月がある秋は、人生を振り返り、考え事をする秋でもあるようです。

  先日のこと。 1歳の誕生日を迎えたばかりのJ君をお預かりさせていただきました。6か月ぶりの再会でしたので、ほぼ初めてと言ってもいい状態でのお預かりでした。泣かれることを覚悟してのお預かりでした。

  見慣れない環境に連れて来られ、大好きなお母さんから引き離されるのですから、J君の立場になってみたら、泣きたくなるのは至極当然なことです。

 (0歳の)赤ちゃんが生理的欲求で泣くのとは違い、快・不快の感情が分化してくる頃のお子さんには、泣きやませるような言葉がけは、必要以上にはしないようにしています。(例えば、「いい子だから、泣かないでね。」は禁句だと私は思っています。

  「そうだね、つらいね。泣きたいよね。たくさん泣いてもいいよ。」と、共感の言葉がけをしながら、お子さんの泣きたい気持ちに寄り添うように努めています。抱っこしたら、背中をさすりながら、落ち着くのを気長に「待つ」ことに徹しています。言葉の意味は分からないかもしれませんが、思いは、伝わってくれるだろうなと信じているからです。「ネガティブな言葉がけと禁止句は言わない!」が鉄則です。 

 しばらくして、J君の泣き方に間があく瞬間がありました。「電気だよ!明るいね。」と天井を見上げながら声をかけると、ぴたっと泣きやみ応えてくれたのです。長期戦を覚悟していましたが、この間わずか15分。周りのいろいろなものに興味をもち始めた頃のJ君に、ナイスタイミングの言葉がけだったようで、気分転換するきっかけになってくれました。

  笑みがこぼれ、そして笑いになり、そして、つい今しがたまで泣いていたはずのJ君の顔は満面の笑顔になりました。  

 それからのJ君は、家庭で過ごしているような本来の姿を発揮し始めました。伝い歩きで移動をすると、つかまり立ってままごとコーナーでの遊びを楽しんだり、活発な動きのJ君に見事変身!  

 半年前の記憶が蘇り、這い這いの動きが速かったJ君のことをはっきり思い出しました。順調に成長し、さらにパワーアップしたJ君と半年ぶりの再会での出来事でした。 

  「泣いたっていい。あなたのこと大好きだよ!」を発信した思いが、子どもに受け取ってもらえた時、心が一つになったと感じるこの瞬間が、子どもと関わることの醍醐味だと感じています。  

 あるお母さんに、「赤ちゃんが泣くと、どうしていいか分からない。どうしたらいいでしょうか?」との問いかけがありました。 赤ちゃんが泣くには、いろんな理由があると思います。生理的理由(痛い、かゆい、お腹が空いた、眠たいなどなど)であれば、その欲求を満たしてやることで充足されますし、「抱っこしてほしい!」の甘え泣きであれば、抱っこしてやることで解決するでしょう。 

  あれこれ手を尽くしてもそれでも泣きやまない!お母さんが辛いと感じるのはこんな時なのでしょうね。

  ひとり一人赤ちゃんには個性があって、よく泣くお子さんもいれば、意外とあっさりしているお子さんもいらっしゃいます。泣き方もみんな違って当たり前です。

  前述のJ君の場合の15分は、短い方だなと思いました。 かつて、およそ半日近く断続的に泣いていた(8か月の)お子さんⅠ君をお預かりしたことがあります。不安な気持ちが強く、慣れるのに少し時間がかかりました。全力で、ただただ待った覚えがあります。 

  (…すぐに泣きやんでくれても、長泣きしても、お子さんはみんな可愛いばかりです。)

  回数を重ねるにつれて、慣れてきているのが実感できるようにまでなりました。後半は、嘘泣きをして注意をひくような行動も見られ、余裕を感じるほどの成長が見られるようになったI 君でした。 

  自分が今いる場所や人に、「安心と信頼」が出来れば、あとは慣れてくれるのを焦らずに待つだけです。 

  「泣いたらどうしていいか分らない。」と悩んでいるお母さんの話に戻りますが…。 
言葉という手段を持たない赤ちゃんにとって、「泣く」という行為そのものが伝えるための最高の伝達手段です。

  泣くことで、「わたしをかまって!」「わたしをみて、みて!」との訴えができることは素晴らしいことだと思います。お子さんにとって、最高の生きる力だと思います。  

 楽をさせてくれない子育ては、確かにしんどい!「泣かないで!」と叫びたくなることもあると思います。赤ちゃんが投げかけた(愛の)ボールをお母さん(大人)がしっかり受け止めてあげること。愛着関係を育む過程の中で、一つ飛ばしできない大切なところだと思います。  

 「(子育ては、)大変だからこそ喜びも大きい!」と信じています。 「あんな時があったよね。」と、笑って振り返られる日が早く訪れることを心より願っています。

  
  
自慢の金木犀が満開になりました
香りがお伝え出来ないのが残念です!
甘くて上品な香りに癒されます
すでに散ってしまったのですが、「癒されて欲しい!」
の思いから紹介させていただきました