2024年4月10日水曜日

4月 新たな思いでスタート

 

子どものとも社さんから今日届けていただいた絵本「あさいち」です。

復刊「あさいち」
え=大石可久也 かたり=輪島・朝市の人々
福音館書店刊


 

 元旦に起きた能登半島地震で被害を受けた被災地の一日も早い復興への願いを込めて、この度復刊された絵本です。そもそもは月刊誌「かがくのとも」で、1980年の1月号として発刊されたものです。

 

「輪島朝市」の活気ある風景と、おばあちゃん達が語る輪島の方言の売り買い言葉が生き生きと伝わってきたことを覚えています。保育士になって6年目の当時、子ども達に読んであげたのかどうかは、残念ながら記憶にありません。自分だけで楽しんでいたように思います。

 

 あれから44年の月日を経て、こんな形で復刊されるなんて誰も想像しなかったことですね。活気で賑わっていた「能登の朝市」は、すべてが焼失してしまいました。日々ニュースの中で映しだされる朝市通りの光景を見るのは、とても辛いことです。一日も早い復興への思いが募るばかりです

 

 復刊することになった経緯は、当時の絵本を記憶している人たちの中から、復刊を願う声が上がったと聞きました。復刊を願う人々が多いことで、当初の予定よりも増刷されたとのこと。そして利益は、「令和6年能登半島地震災害義援金」として日本赤十字社に寄付されるそうです。

 

 たくさんの人たちがいろんな立場で、いろんな形でこのような支援をしてくださっていることを知るにつけ、人の痛みを自分ごとに捉えられる思いやりや優しさが身近にあることにほっとしますね。

 つい先日、隣国台湾でも大きな地震がありました。国の内外を問わず、心の痛む出来事が頻発している昨今、遭遇した時「あなたはどう行動する?」と問われているように思います。

 

 目の前の子どもたちの「大切な命を守る」こと、「どう守る?」これは本当に重い、重いことです。緊張感で身が締まる新年度を迎えました。

 

 今年度もどうぞよろしくお願いいたします。

(「こころほいく」には、卒園式もなければ入園式もないのですが、…。)


2階のベランダから眺める白木蓮の木
入学式の頃に咲く花です
フェンス向こうが、「こころほいく」の駐車場


 

 国による子育て支援の政策が充実しつつある今日、「こころほいく」の利用者さんは、めっきり減ってきているのが現状です。すべての方のいろんなニーズを満たすことは、さすがに難しいというのも現実です。「あちこち申し込んだけど断られました。」という声を聞きます。そんな場合に連絡いただくのが、「こころほいく」だと捉えています。

 

「子どもの預け場所がなくて困った子育て時代」この時の辛い経験が、「こころほいく」の原点でした。この役割を終えつつある今日、「もう少し頑張って!!」の声が聴こえてくるようです。

 

 Mちゃん、Jくん、Sちゃん、Rちゃん…、元気ですか?

就園や進級、入学という新しい環境に早く慣れることを願っています。

 

4月は新たな出会いの季節ですね。庭の色とりどりの花を愛で、木々の芽吹きを眺め、ワクワク心躍る季節です。