2020年11月26日木曜日

絵本大好き

 

💛 収穫の秋 芋掘り

   

収穫したさつま芋の山
隣の畝に植えてあった大根を試し掘りしてみたのですが、
さつま芋に負けず劣らずふとっちょでした


 先日、少し遅めの芋掘りをしました。2年ぶりの今年は、孫の手も子どもの手も借りずに、私たち夫婦で実行しました。余談ですが、11月22日は「いい夫婦の日」だったようですから、狙ったわけではありませんが、夫婦共同作業のいい日でした。(笑)

 

 芋の葉っぱを取り除いていくと、いたるところにぽっかりと穴が開いているではありませんか。犯人はモグラとみましたが、…。空洞化した穴を掘っていくと、出てくるのは食べ残された芋の皮ばかり。やはり、…。

 と思えば、芋のありかを探し、一生懸命土の中を掘っている私の目の前を、何ものかが走り去っていきました。一瞬の出来事でしたが、黒い物体の正体は、ネズミのようです。

 さらに穴を掘っていくと、ミミズに幼虫、ダンゴムシなどに遭遇し、ここに子どもがいたら歓声や悲鳴が上がるだろうと想像したら楽しくなりました。

 

保育現場にいた頃、芋掘りの時に子どもと一緒に口ずさんでいた歌がありました。

  

 ♪でぶいもちゃん つちのなかで なにしてたの

  もぐらと おすもうなんか してたのかい ♫

 

 ♪ちびいもちゃん つちのなかで なにしてたの

  みみずと けんかなんか してたのかい  ♫    

 

(まど・みちお 作詞 湯山 昭 作曲)

 

 おいもともぐらがすもうをとるなんて実際にはあり得ない話ですが、でも嘘でも作り話でもない、子どもの想像力を育んでくれるすばらしい歌詞だと改めて今回感じました。

 

 芋掘りと言えば、この歌と同時に読んでいた絵本があります。

 


「おおきなおおきなおいも」
赤羽末吉 さく・え  福音館書店刊
(1972年発刊 半世紀近く子どもたちに読み継がれてきた絵本です)

 この絵本は、鶴巻幼稚園の市村久子さんの教育実践をもとにつくられたお話です。

  

 楽しみにしていたいもほりえんそくが雨のために1週間延期になってしまったことから、このお話は始まっています。子どもたちは、どんなにがっかりしたことか想像つきますよね。

 

  子どもたちは、言います。 

「つまんない つまんない つまんない

     かさを さして いけば いいんだ!

      ながぐつ はいて いけば いいんだ!

      かっぱ きて いけば いいんだ!」

 

   せんせいは、言いました。

    「だいじょうぶ だいじょうぶ

     おいもはね

     1つ ねると

     むくっと おおきくなって

     2つねると

     むくっ むくっと おおきくなって

     3つねると

     むくっ むくっ むくっと おおきくなって

          ―(中略)—

     いっぱい おおきくなって 

     まっててくれるよ」

 

    「そのおいも

     こーんなに おおきくなっているかな?

 

     ちがう

     こーんなに おおきいんだ」

 

    「せんせい おいも かくから

     かみ ちょうだい

     えのぐ ちょうだい

     ふで ちょうだい」

                       -絵本より抜粋

 こうして、「お芋掘りしたかった!」と言う気持ちと「どんなお芋だろう」という子ども

たちの想像がどんどん膨らんでいき、絵に描かれた「おおきなおおきなおいも」が出来上が

りました。

  

 残念ながら私の保育の中からは、こんな豊かな実践記録は生まれませんでしたが、子どもたちと一緒にこの絵本を読んで、感動を共有することができました。雨が降ったことにがっかりし、できあがった「おおきなおおきなおいも」に歓声を上げて喜び、「いもらす1ごう」の描写にズッコケ、笑い、絵本の世界に入りこんで楽しんでいた子どもたちとたくさん出会うことが出来ました。思い出すと心が温かくなる、私にとって大切な宝物です。

 

 とりとめのない思い出話のようになってしまいましたが、さて、その後収穫しお芋がどうなったかと言うと、…。

 

風通しの良い日陰に吊るし、ハンモック状の網の上で干しています。4,5日乾かした後、通気性のよい箱に入れてしまうつもりです。カラスに狙われないうちに。

 

そして、後日。

焼き芋が大好きなお子さんがいらっしゃる予定なので、「手作りおやつ」として食べてもらえれば、こんな嬉しいことはありません。「いただきます」が上手に言えるお子さんですので、「いのち、いただきます」の思いを込め、自然の恵みに感謝し、一緒にいただこうと思っています。楽しみです!

 

 

2020年11月1日日曜日

絵本大好き

💛誕生日 

 実は、数日前に一つ歳をとりました。 子どもたちや、友人、お店などなど、“誕生日おめでとう”のメッセージがたくさん届きました。お祝いをしてもらう喜びはもちろんのことですが、今の年齢にさらに歳を重ねることへの抵抗感もあります。  

 誕生日を祝ってもらうことは、自分の存在を認めてもらっているという実感がもてる日だと思います。歳を重ね、元気でこの日を迎えられたことにただただ感謝あるのみです。 
 
 職場でも家庭でも、誕生日という節目の日を大切にしたいと思ってきました。 現役時代、保育園では月1回の恒例行事として、誕生会を催し、お祝いをしてきました。 

 子どもたちはホールに集まり、誕生月の子どもたち全員を一緒にお祝いするやり方でした。誕生日をまだ迎えていない子どもにも、「お誕生日おめでとう。何歳になりましたか?」という問いかけに、違和感を覚えるようになったのは最近のことでした。 

 集団の中にあっても、「一人ひとりの子どもを大切にし、個を尊重する。」という視点から、本当の誕生日をリアルタイムでお祝いしてやりたいと思い、そんな当たり前のことが退職間際になり、ようやく実現することができました。 

 「あなたはあなたのままでいいのよ。」「あなたのことをいつも見守ってくれている人が、ちゃんとここにいるよ。」と、そんなメッセージを伝えることが自己肯定感に繋がってくれることを信じ、保育士生活を続けてきました。  

 満3歳になったばかりのお子さんのエピソードです。   

 折り紙の裏面を使って、鉛筆で何やら一生懸命書き物をして遊んでいました。   
 「できたよ。」   
 「なあーに?」と私が尋ねると、「ママ、だ~いすき!って、かいたんだよ。」とYちゃんは答えました。絵ではなく、文字だったのですね。(ごめんなさい!)  

 「そうなの。じょうずに書けたね。ママが見たらきっと喜ぶね。」と伝えました。文字として読むには少し無理があるのですが、子どもなりに一生懸命メッセージを伝えようとしている姿に、胸が熱くなりました。子どもにとって、お母さんは最高の存在ですね。   

 お子さんをお預かりしていると新たな発見と喜びの連続なのですが、この日も感動をいただきました。ありがとうございます。

 <誕生日>    
子どもたちに読んであげていた絵本の中の1冊を紹介させていただきます。
「おかあさん だいすき」 マジョリー・フラック 作 岩波書店 刊 


 「たんじょう日のおいわいに、なにを おかあさんに あげたら いいかなあ」と考えた主人公の男の子ダニーは、おかあさんにあげるものをみつけにでかけます。 

 途中、めんどりや だちょう、やぎやひつじ、めうしと出会い、尋ねました。 

 「おかあさんのたんじょう日に、なにか あげるもの ないかしら」
  「それじゃ、わたしが うみたての たまごを ひとつ あげましょう」とめんどりは答えます。 

 (親切な)動物たちは、「たまごや羽でまくらを、ちちで ちーずを、毛で毛布を、ちちで ぎゅうにゅうを」という風に、自分の持っている物をあげる提案をしてくれるのですが、すべてお母さんの持っているものばかりだったのです。   

 最後、めうしさんの提案で、おやまのもりにすんでいる くまさんに聞きに行きました。  
 そこで、くまさんが教えてくれたことは何だったかと言うと、…。   

 うちに帰ったダニーは、おかあさんに こう言います。  
「おかあさんの おたんじょう日に なにをあげるか、あててごらんなさい」   

「そうね」 「・・・」 「たまごかしら」  
「いいえ」  
「じゃ、まくらかしら」 「・・・」     

 答えがどうしてもわからないおかあさんに、だにーがしたことは、…。  

「だにーは、おかあさんのくびに ぎゅっと だきつきました」  

 そうやって ほおずりして あげるのが、いちばんいい おくりものだよ」と、くまさんが教えてくれたのでした。  

 私は、このお話のストーリーに心惹かれ、お母さんを大好きな子どもと、子どもを愛するおかあさんとがハグをする場面が大好きです。  

 昔も今も変わらない親子の姿だと思います。 どんなに楽しく過ごしていても、おかあさんがお迎えにいらっしゃった時に見せるお子さんの笑顔に優るものはありませんね。  

 「ママだ~いすき!って、かいたんだよ。」と話してくれたYちゃんもその一人です。  
 
 母の力は偉大ですね。   

 「私の母としての姿は、どうだったのかしら?」と、一つ歳を重ねたこの機会に振り返ってみました。 
 幾つになっても、これでよしと言うことはありませんので、努力することを忘れずにいたいと思うこの頃です。