干支の中でも縁起がいいと言われている龍にちなみ、災い(戦争や災害など)を吹き飛ばしてくれる、そんな年であって欲しいと願っておりました。
そんな矢先、能登半島地震が起こりました!!
家はぐらぐらと大きく揺れ、その間に感じた恐怖は記憶の中にはっきりと刻まれています。
今は、これまで通りの生活ができている私ですら、テレビで報道される映像を見るにつけ心が痛む日々です。この度の地震で被災された方々や大切なご家族を失われた方々が、どんな思いでいらっしゃるのでしょう。悲しみや不安、恐怖そして生活する困難さなど辛い日々をお過ごしのことと思います。
いろいろな思いで過ごした7日目の今日、40年近く続けている茶道(裏千家)の先生のお宅で、初釜式(新年を祝う茶会で、稽古の始まりの日です)がありました。
「こんな折に慶事を行うことへのためらいや犠牲になられた方を痛み、追悼の祈りを捧げましょう。今年は初点式といたします。」と、冒頭での先生のご挨拶がありました。そして黙とうをしてからの開式となりました。
釜で沸かした湯で先生が点ててくださるお茶(濃茶)を一服、美味しくいただける、こんな恵まれた時間の過ごし方があるでしょうか。そこには感謝の言葉しかありませんでした。
床の掛物は、裏千家十五代家元鵬雲斎大宗匠の若い時のお筆で、
「和を以て尊し(貴し)となす」(聖徳太子が制定した憲法十七条の第一条の言葉より)と書かれてありました。そして、令和6年歌会始のお題は、「和」とのこと。
大宗匠は100歳を迎えられた今もご健在で、平和への願いを強く持ち、「1わんからピースフルネスを」をスローガンに、世界を歴訪されています。
「初点式としましょう。」という先生の思いが、床の掛物に表されていると理解いたしました。私も同じ思いにつき動かされていると感じています。
今を生きるものの一人として何ができるのだろうか、何をなすべきだろうかと考えます。
今も保育に携わらせていただいている者の一人として、しっかり考えていきたいと思います。
地震当日の避難途中、「お預かりしているお子さんがいらっしゃる日での遭遇でなく、良かった!」という本音が頭をよぎりました。
「実際にどう動くべきか!」を考えた時、月1回行っている避難訓練の大切さを思い出しました。こころほいくでは、大半が書面での訓練で終わっている実情があります。その虚しさを感じつつも、頭の中で描くシュミレーションを言語にして、見える化していくことの大切さを改めて感じたところです。
その後、非常持ち出しリュックの中身を点検整備し、そして今日は非常食の入れ替え時期が来ている食料を、訓練のつもりで食してみました。お世辞にも「美味しい!」とは言えませんが、アルファ化米にお湯を注ぐと15分で出来る物なので、重宝すると思います。
さて…。
明日(日付変更線を越えて、今日になりましたが)お預かりする予定のお子さんは、7か月の赤ちゃんTちゃんです。こころほいくを信頼してくださってのご依頼だと思います。身が引き締まる思いで、お預かりさせていただきます。
くったくのない赤ちゃんの笑顔は、沈みがちだった7日間のいろいろな思いを、一瞬のうちに吹き飛ばしてくれることと信じています。
赤ちゃんの笑顔、子どもの笑顔や笑い声が絶えないような「未来の社会」であって欲しいと切に願います。子どもは希望であり、未来です。
皆さまにとって、「生きていてよかった!」と思える日が一日でもたくさんある年になりますように!
「無事」過ごせることを願って、こころほいくの年頭のご挨拶とさせていただきます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年は辰年 空高く登る龍にあやかりたいですね |
裏の敷地を整備し、駐車スペースを作らせていた
だきました。
ドアを壁にぶつける心配もなく、ご安心ください。