2025年1月13日月曜日

新しい年を祝える喜び

 

床は蓬莱山飾り/軸は「一華五葉開」
(いっかごようをひらく)
禅語で達磨大師の言葉です


初釜を昨日無事終えることが出来ました。今年は水屋(裏方)でのお手伝いをさせていただきました。そんな訳で、先生が点ててくださるお茶(濃茶)をいただくことはできませんでしたが、茶碗に湯を注ぐ音だけが聞こえるような、ふすまの向う側の静寂さが伝わってきて身の引き締まる今年の稽古始めの初釜でした。

 

「お茶(茶道)と子育てと何か関係があるの?」と、問われそうですね。

保育園に勤務していた頃の数十年前の話になりますが…。

 

例えば「ひな祭り茶会」というように、保護者を招いて「お茶に親しむ」行事が保育の中に取り込まれるようになりました。(私が)お茶を習っていたことは周知のことでしたので、当然のように「あなたに任せます。」ということになりました。

 

お菓子やお茶をいただく時は、お隣さんに「お先に」と声をかけ、お茶をいただいたら(飲んだら)、「ごちそうさまでした」あるいはお辞儀をして挨拶をします。

 

相手を敬い、思いやり、お茶を点ててくださった人に感謝をして、その気持ちを言葉で伝える。この当たり前のことや言葉は、無くなって欲しくない、人と人を繋ぐ大切な習慣だと思います。

そして美味しいお茶(一服)をいただくことで、心が和み、穏やかな気持ちにもなりますね。

 

「(お茶は)堅苦しい作法が…。」と敬遠されそうですが、私が子どもたちに伝えたかったことは、行儀でも作法でもなく大切にしたい「お茶の心」でした。

 

1年に一回くらいこんな時間があってもいいのかなと思い、退職するまでの十数年間、大好きな子どもたち(年長児さん)の前でお茶と向き合う幸せな時間を過ごさせていただきました。

 

前回のお話にも通じることですが、「相手を思い敬う心、そして優しさ」は、大人がお手本を示してやることで子どもは学び、身につけてゆくものだと思います。

 

さて、話を現在に戻しますと…。「こころほいく」では!?

利用者さんのほとんどが3歳未満児さんですので、お茶を通してなどと全く論外の話ですね。

 

 「〇〇ちゃんのことが大好きだよ。」「あなたのことをしっかり見ているよ。」のメッセージを全身で伝え、優しさを体現し関わらせていただいております。(笑)

 

その結果は?というと、お母さん(お迎えの方)の元に帰る時のお子さんの笑顔が答えです。少しは伝わったかな?と自負しています。

 

 お子さんをお預かりしている時のほどよい緊張感と、無事お返しした時の安堵感とが交錯する貴重な体験をこの7年間余りさせていただきました。

 

やはり、最後は「感謝」です。


        

<花びら餅>と共に
初釜の祝いをおすそ分けして、感謝していただきました