ここ数日穏やかな日が続いていますが、心なしか秋が短いように感じているのは私だけでしょうか。
<金木犀> すでに散ってはいますが、自分の出番とばかりに咲き誇っていました。 この香りが苦手という方もおられるかもしれません、我が家の秋の香りです。 |
前回お伝えさせていただきました、国の子育て支援の一端で「新潟市こども誰でも通園制度(試行的事業)」が実施されているようです。金額的には保護者の方の負担は、大幅に軽減されるものと思いますが、月10時間というしばりには大いなる疑問を感じるところではあります。
とは言え、このことを含め社会情勢の変化に伴い「こころほいく」の役割を終え、一つの区切りを感じているのは変わりません。
そんな中、あるお母さまから1本の電話がありました。
その内容は、「11月末の土曜日から12月の日曜日すべてと年末に都合7日間、8時から16までの8時間の預かり保育は可能でしょうか。」「入園は決まったものの、日曜日に預かってもらえる場所がない。」というものでした。
全日曜日、時間と日数を考えると即座の返答は出来ず、「家族と相談させてください。」といったん電話を切らせてもらいました。
夫(相談役)曰く、「この日が良くてこの日が悪いという中途半端な預かり方は、お母さんが困るんだろうから預かるなら全部、そうでなければ断ればいい。でも、それだとお母さんが困るんだよな。」と。
「確かに!!」
私の迷いは吹っ切れました。困ってらっしゃるお母さまを見捨てるのは、「こころほいくの理念」に反し、存在理由が無くなってしまうからです。
最後まで、「一人ひとりに寄り添いながら、丁寧な保育」をめざすという姿勢は持ち続けたいと思っております。
その旨お伝えした際のお母さまの喜びと安堵感が伝わってきて、ほっとしました。どんなお子さんとお母さまとの出会いが待っているのかと、ワクワクする思いですね。Nちゃんは8カ月になる女のお子さんだそうです。
と言うわけで、「最後の大仕事」と心得てお引き受けさせていただくこととなりました。
「こども誰でも通園制度」の拡充がなければ、このようなお母さまの場合はどうしたらいいのでしょうか。課題山積ですね。
働きたいと思っているお母さまが、子どもを預けて安心して働ける社会になって欲しいと心から願っております。
先日お預かりさせていただいた1歳9か月のSちゃんは、6カ月ぶりでの再会でした。この間更に賢く成長した分、不本意な場所にいる我が身を嘆いては、涙なみだの連続でした。ただ、この日の好天に助けられて散歩に出かけることで、Sちゃんの気持ちは大いに発散することができたようでした。
家に戻ってからジュースで喉を潤し、おやつのお菓子を食べた頃にはすっかりご機嫌なSちゃんに大変身。言葉を発し、おもちゃ遊びを始める頃には、私たち大人に心を許してくれて、笑顔もたくさん見られるようになりました。
そして、日も暮れて薄暗くなった頃にお母さまがお迎えにいらっしゃいました。保育室から駐車場を見ると、車がバックしている明かりが見えました。
「お母さんかな?」の期待で窓の外を見ていると、窓越しに覗き込んだお母さまの笑顔と遭遇したSちゃん。
お母さまのニッコリ笑顔とケタケタと声を上げて笑うSちゃんの目がバッチリ!その瞬間のドラマチックな光景が忘れられません!
お母さまが言うには、お父さんがSちゃんとの別れ際に泣いていたことをずっと心配していたというのです。確かに涙の多い一日ではありましたが、後半にはすっかり落ち着いて、楽しく遊んでいたSちゃんでした。(笑)
こんなエピソードでも分かるように、ご両親の愛情に包まれて育ったSちゃんですから、何にも心配はありません。
ここまで「こころほいく」を続けてこられたのは、たくさんのお子さんとの出会いと、たくさんの笑顔に助けられ、支えられてきたからです。 同じ言葉の繰り返しになりますが、お母さまやお父さまの愛情に勝るものはありませんね。特に、お母さまの笑顔は明るい太陽のようです。
やはり12月にお預かりする予定のYちゃんのお母さまは、初めて預けることに大変心配なご様子です。「大丈夫です!」と明言はできませんが、お子さんの「育ちの力」を信じてくださいね。
12月のこころほいくは、新たな出会いの月となりそうです。
ワクワク、ドキドキ…。
<秋の恵み干し柿と冬を迎える準備の柿の落ち葉> 柿をいただいて、落ち葉を掃く、まさにお互い様の心です 後方のミモザは、花芽がびっしりついて 春を迎える準備をしています |
<干し柿> 我が家恒例の風景となりました 今年もご近所さんのご厚意に感謝です |