2022年7月23日土曜日

梅雨の晴れ間の散歩

戻り梅雨と言われる雨空が続いて、なんかカラッとしないこの頃ですが…。 先日訪れた利用者さんは、4歳の誕生日を間近に控えた男の子でした。ご依頼時、「(そちらでは)どんな遊びをしますか?」とお母さまから尋ねられました。ずっと室内で過すことを心配されたのでしょうね。 あいにく、翌日の予報は「雨」となっていましたので、「お天気なら散歩に出かけられるのですが…。」とお答えしました。 さて当日、予報は見事?に外れ、青空になりました。 「散歩に行かれそうですね。」と、お母さまに確認をすると笑顔で答え、ほっとしたようでした。 初めての環境にも順応してくれたAくんでしたが、やや緊張しているようでもありました。電車などのおもちゃ遊びを楽しんでいましたが、一つのおもちゃに集中する時間が短くなってきた頃合いを見て、声をかけました。体内時計がうずうずする頃です! 「お散歩に行く?」と誘うと、「うん!」と即答したAくん。 「降りたくなったらいつでも教えてね。」の条件付きで、まずは散歩カーに乗って、いざ出発です。 「川を泳ぐ魚」「田んぼとカモ」「青空を忙しそうに飛んでいくカラス」等々を見ながら、自然への気づきとなるように声がけをし、「走り抜ける車」に注意をして止まったり進んだり、スシローやイオン、ガソリンスタンドなどの商業施設を眺めながら一巡しました。 地域を巡る散歩にはさほど魅力はなかったかもしれませんが…。 車の往来がほとんどない家の周辺に来て、散歩カーから降りることにしました。 手をつないだり、安全確認をして手を離したりしながら様子を見ていると…。 一人歩きをするAくんの足取りが変わり、スキップしたり走ったり、鼻歌も聞かれ、身も心もすっかり軽やかになりました。 家に戻り水分補給をしたAくんは、おしゃべりも活発になり、私たちに積極的に働きかけてくるようになりました。ちょっぴり緊張した面持ちのAくんとは別人のようでした。 すっかり気分が解放され、安心感と信頼感でこんなにも子どもって変わるものなのだと改めて気づかされた出来事でした。 お迎えの時間が近づく頃には、些細な出来事にもこけそうなほどに大笑いし、あっという間の6時間でした。 こんな楽しい時間を過ごさせていただき、感謝、感謝です。 だから…やめられないのですね。(笑)
    <発見!ブロック塀を散歩するカマキリの子どもです。>   この数日後、なんと!!カマキリがハチを捕まえているリアルな瞬間とAくんが庭で遭遇しました。お母さんがお迎えにいらっしゃると、両手でハサミを作り、カマキリの話を教えていたAくんでした。 Aくんにとって衝撃的な出来事だったのでしょうね。

2022年7月7日木曜日

七夕に寄せて

雨が大好きなアジサイの花が季節の変化においていかれそう!

梅雨期のうっとうしさをあまり感じることもないまま、あっという間に暑い夏がやってきました。

 

そんな中、かっこうの鳴き声を聞くと、「カッコウー!カッコウー!」(「おはよう!おきてー!」)と言われているような…。おかげさまで、朝から爽やかな気分にしてもらっています。()

 

 先日お預かりさせていただいたお子さんは、ほぼ半年ぶりの再会だったのですが、終始機嫌よく過ごしてくださいました。

 

前の記憶があったのかどうかはわかりませんが、マスクを通しての対面も、受け入れの気持ちを笑顔で伝えることで、しっかりと通じていることが分かり安心しました。

 

3月、市主催による健康講座をオンライン受講しました。タイトルは、「こどもと新型コロナウイルス感染症」についてで、今時な内容でした。市民病院小児科の山中崇之医師によると、「マスクをしても喜びは伝わりやすい」(調査データーに基づき)とのお話が印象に残りました。

 

お子さんを継続的に毎日見ている保育園とは違い、今回のようにしばらく振りにお預かりすることがほとんどの「こころほいく」では、このお話がよく分かります。

 

「あなたのこと大好きだよ!」のメッセージをいかに短時間のうちに伝え、しばらく振りあるいは初めての人や環境に馴染んでいただくことが、「こころほいく」の課題です。

 

マスク顔で迎えたおばさん、おじさんにもいち早く慣れてくれたKくん。

「車のおもちゃが好きだったかな?」の予測が見事に当たり、電車と線路、車のおもちゃにほぼ集中して遊んでくれました。

 

おもちゃを出しすぎることで気持ちが散漫にならないように、かつての反省を生かし、この日はダイジェスト版にしてみました。時々「(青)虫取り」遊びも導入してみると、「はらぺこあおむし」好きなKくんにとっては、これまたタイムリーなことだったようです。「はらぺこあおむし」の絵本を読むことへ発展することもできました。

 

室内遊びと地域に出かける散歩、静と動の遊びを組み合わせることで、あっという間の4時間半を楽しく過ごしてもらうことができました。

 

「保育事故が多い」という話を聞きますが、安心・安全の上にこそ楽しい保育が成り立ちます。そういう意味では、お迎えにいらっしゃった保護者様に無事お子さんを手渡すことができた時、ほっと安堵の胸をなでおろしているこの頃です。

 

この日のKくんは、2,3日前に熱が出ていて、「当日は見合わせるかもしれない」という、ただし書き付きのご依頼でした。「熱が出て、予定通りには出かけられない。」小さいお子さんがいらっしゃる家庭には、よくあることです。「元気になるといいですね。その時にはお待ちしています。」とお伝えしました。

 

こんな経緯があっての当日だったので、元気になって何よりのことと思い、心より喜んでお迎えした次第でした。本当に良かったです!

 

77日。今日は、五節句の一つ「七夕」ですね。

「年に一度、天の川を渡って織姫と彦星が逢えますように!」にあやかり、短冊に願い事を書き、星に願いを込める「星祭」でもあります。

 

「(すべての)子どもたちが、明るく元気で過ごせますように!」

 「戦争が早く終わりますように!!平和な世界を望みます!」

 

ミモザに訪れた夏のトンボ
ミモザの花言葉は、「感謝」「友情」です。
今年植えたばかりなので、花を咲かせてはいませんが…。


2022年5月30日月曜日

命の営みと生きる力

 昨年訪れてくれたツバメの再来をひそかに期待し、車庫の入り口(シャッター)を開けてウエルカム体制を整えていました。

 

そんなある日のこと。カラスの乱入により、我が家のゴミ(生ごみ含め)は、目の前の道路にまき散らされてしまったのです。これにより、秘めた願いはTHE ENDとなりました。

 

ツバメさん、ごめんなさい!と言わざるをえません。いずれも生きるための必死な営みだと思うと、カラスだけを責められないように感じています。人間目線で言わせてもらえば、大迷惑ですが…。

 

先日のこと。

 郵便配達の方が訪れた際、玄関に出てみると足元にアゲハチョウが止まっていました。一生懸命に羽ばたいているのですが、片方の羽が切れているではありませんか。小さな、ちいさな命ですが、その切なさが伝わってきて胸が熱くなりました。

 翌日…。

 草取りをしようと庭に出ると、羽ばたいているアゲハチョウが目に入りました。なんと、なんと!!あの片方の羽がちぎれている、昨日見た蝶々だったのです。一生懸命に生きていたことに感動しました。「がんばれ!」

 

一生懸命に羽ばたくアゲハチョウ

 この頃。

さらに小さい生き物であるアリの活動が活発化する季節でもあります。1匹だけ見ていると可愛いのですが、群れとなり、行列で来られると正直な感想として、へきえきしてしまいます。遠慮なく室内にも入ってくるので、保育室へは、「入室禁止!」とさせていただいています。

 

 そんなこんなで、生きとし生けるもの、草花、木々…、一生懸命生きている姿に、感動をいただいている日々です。

 

 こころほいくの利用者さん、子ども達も、みんな一生懸命に今を生きていると感じます。「わたしをみて!、みて!」と、声で、態度で表現してくれます。「わたしのこと、ちゃんと見ていてね!」のサインをしっかり受けとめ、「わかったよ。ちゃんと見ているよ!」と笑顔で返します。片時も気を抜いている間などありません。お陰様でしっかり仕事をさせていただいております。

 

 昨日お預かりしたお子さんは、2か月の赤ちゃんだった頃から4年のお付き合いをさせていただいております。この間、保育園に入園されてから以降も年に数回お顔を見せてくれていましたので、顔も環境も覚えていて、すっかり慣れ親しんで過ごしています。おばあちゃん、おじいちゃんの家に遊びにきているような心持なのでしょうね。()

 自分がやりたいこと、遊びたいことを全部受け入れてもらえる(受容)という安心感の中で、伸び伸びと遊んでいたHくんでした。

 

人間としての根っこの部分、乳幼児期において「自己肯定感」がしっかりと育ち、基本的信頼関係がつくられているからこそだと思います。「あなたはあなたのままでいいんだよ」というメッセージを送ることで、「わたしはわたしのままでいいんだね」の自信・自尊感情に繋がっていきます。

 

今も見る人たちに感動を与えてくれる法隆寺の五重塔は、飛鳥時代に建てられた日本最古の塔です。「しっかりした土台に建てられた五重塔」と、児童精神科医の佐々木正美先生は、ご著書「子どもへのまなざし」の中で書かれています。乳幼児期の子育ての大切さ、基礎がいかに大切であるかをこのことに例えられています。

 

「自己肯定感・自尊感」の上に、「生きる力」が培われていくものと信じます。

辛い時、苦しい時、この「生きる力」が後押しをしてくれるものだと思います。

 

 そして…。

子どもと絵本が出会う時、絵本から元気をもらったり、達成感を感じたり、迷った時に道標をもらったり、きっとたくさんのパワーをもらうことでしょう。

 

上段/左 「おおかみと七ひきのこやぎ」 右 「せんたくかあちゃん」
中断/左 「おおきなかぶ」    右 「すいかのたね」
下段/左   「ぱくぱく はんぶん」は新刊の絵本で、
くすっと笑える優しさと愛情にあふれる絵本です
   下段/右 「わたしのワンピース」
いずれも 福音館書店刊

 Hくんの大好きな定番の絵本5冊と前回のおもちゃと同様に補助金より購入させていただいた新刊本の1冊です。活動的な遊びやおもちゃ遊びの合間に「読んで!」と選んで持ってきた絵本です。いろんな場面で成長した姿を見せてくれたHくんですが、絵本好きなHくんはそのままでした。嬉しいことです。

 

 これらの絵本体験が、Hくんの成長過程の中で、生きる力の一助となることを願っています。


2022年5月12日木曜日

💛おもちゃとの嬉しい出会い

 

新潟市よりの情報提供:Part2です。

毎年5月5日の「子どもの日」からの1週間を「児童福祉週間」と定められています。令和4年度から同期間を「子どもの権利週間」と定め、児童福祉週間と連携した「新潟市こども条例」(令和441日から施行)の周知・啓発の取組を推進するために、子育て応援キャラクター「ほのわちゃん」の塗り絵のデーターが、市より送付されてきました。

こころほいくの利用者さんは、01歳の小さい方が多いので、代表して塗り絵に挑戦させていただきました。

 

 

新潟市子育て応援キャラクター「ほのわちゃん」

 ●新潟市とのつながりで、紹介させていただきます。

 この度、

「新型コロナウイルス感染拡大予防対策支援事業」より、マスクや除菌剤をはじめ、おもちゃや絵本、空気清浄機などを購入させていただきました。

 おかげ様で、読んであげたい絵本やおもちゃの数がうんと増えました。

 こころほいくでは、お子さんが密になることはありませんが、“なめなめ期”のお子さんや探索活動が盛んな時期のお子さんをお預かりすることがほとんどなので、おもちゃが潤沢にあるのは、嬉しいことです。

 とは言え、こんな時期ですから、おもちゃなどの衛生管理と誤嚥事故防止には、十分な配慮が必要です。

 そこで…。

やはり、木製のおもちゃを選ばせてもらいました。温かなぬくもりがあるだけでなく、木と木が触れ合う音色が何とも心地よく、環境に優しいのも魅力です。お子さんだからこそ、いい物との出会い、触れ合いを大切にしたいですね。

 

左から ドラム玉落とし(カラカラころころと木の玉が転がります)
SEボール(布の手触りと音色の違いが楽しい!)
クロースボール・レインボー(つかまりやすく、投げる、転がるが自在)


左から スロープ人形(ぞう)/ゆっくりカタコトくだります
型はめこみ遊び/面取りされていて手触りもいい
ラトル(カラーロール)/木の玉と共に転がる音色が優しい

 

子どもたちが実際にどう遊んだのかは、折を見て紹介させていただこうと思います。

 初めての補助金の申請でドキドキしましたが、結果オーライでした。

子どもたちにたくさん遊んでもらい、こんな時だからこそ、豊かな心を育んで欲しいと願い、その一助とさせていただきたいと思います。

いろいろアドバイスをしてくださったクルテクの横山さんには、感謝です。

ありがとうございました。

2022年5月7日土曜日

「こどもの日」に心寄せて

 

青空と鯉のぼり、水がはられた田んぼと緑の苗、巣作りの場所を探すツバメのさえずりなど、季節の変わり目を知らせてくれています。

風薫るさわやかな季節の到来ですね。


一昨日は、「こどもの日」でした。

我が家は、利用者さんがいらっしゃらない合間を見ての洗濯日和で大忙しでした。物干し場をフル稼働させ、絵本「せんたくかあちゃん」の世界感さながらの爽快感を味わいました。

先日、市より「新潟市子ども条例」の情報提供がありました。

【第1章】        総則による基本概念によると、

「子どもは、一人の人間として尊重され、今を豊かに生き、成長発達する権利を子ども固有の基本的権利(子どもの権利)として有しています。」と、記されてあります。

「この権利を実現するために、次の権利が保障されなければならないとあります。

〇身近なおとなに、いつでも自由に思いや願いを表明し、ありのままに受け止めてもらい、適切に応えてもらうこと。

〇自然、仲間、地域及び社会との関りの中で生きること。」と続いています。


 昨日のことです。

5か月と2週間余の女のお子さんをお預かりさせていただきました。

すでにしっかりとした意思を持っていらっしゃることを場面ごとに感じつつ、

保育させていただきました。

赤ちゃんですから、「お腹がすいたよー!」「眠たいよー!」の訴えは当たり前。

抱き方や立ち位置、抱き手の違いなどの微細な事柄にも、「あーあー!」と声を

発し、関わる私たちおとなに訴えかけてきてくれます。

まさに、「いつでも自由に思いや願いを表明し、ありのままの自分を受け止めてもらいたい」そのものであり、

「適切に応える」行為で関わらせていただきました。

満たされたEちゃんは、しっかり笑顔で返してくれます。

結果、終始お互いが笑顔の中で、お預かりをさせていただきました。

こうした応答関係の中で愛着関係を育んでいくのだろうと、実感させていただいた1日となりました。

子どもの笑顔が絶えない社会をつくること、子どもの生きる権利を守ることは、大人の責務です。

「こどもの日」が祝日となった主旨である、「すべての子どもの健やかな成長と幸福を願って」の実現が、日本のみならず世界中の子どもたちに広がることを心より願っております。



さて、

平和を願い、一碗のお茶を点てさせていただきました。

こころほいくの「こどもの日」は、協力者である夫と共に一服のお茶を

いただくことが習わしになりそうです。(笑)

2022年4月19日火曜日

平和への祈り

 

💛ウクライナ民話「てぶくろ」

  エウゲーニー・M・ラチョフ  うちだ りさこやく  福音館書店刊


以前にも紹介させていただきましたが、子どもたちの大好きな絵本の中の1冊でした。絵本の中に入る前に必ず読むのが、表紙の部分です。作者名を子どもたちに伝え、読んでいました。「てぶくろ」は、「ウクライナ民話」と読むところから始まっていきます。

憂うことが多い中、「ウクライナ民話」のワードが、ずっしりと心に深く入ってきました。

民話は、民衆の中から生まれ伝承されてきたもの、その土地の生活に根づいてきた文化だと思います。

なぜこの物語が劇遊びにまで発展できたのかと改めて考えてみました。

 おじいさんが森の中にてぶくろを落とし、いってしまったところからこの物語は始まっています。そこへねずみがやってきて、てぶくろを「家」に見立て暮らしはじめます。そして次々に、かえる、うさぎ、きつね、おおかみ、いのしし、くまがやってきて、「わたしも いれて」と「家」に入ることを乞うのです。

「どうぞ」

大人の感覚では「入るわけはない」と思いつつも、子どもたちはファンタジーの世界にすっと入り込んで、その動物になり切ってこのかけ合いを楽しんでいました。あり得ないようなことをなんとかしてしまう展開の面白さや、「どうぞ」と相手に手を差し伸べ、思いやる優しい気持ちに心惹かれたのだと思います。子どもたちに最も伝えたい「大切な心」だと私は、信じています。今だからこそ、という思いも大きいです。

 

「こんな時に自分に何ができる?」と心に問う日々。

 

「私にできることは、今、させていただいている仕事(大切なお子さんをお預かりする)を全うすること。お子さんの笑顔をたくさん増やしていけるように初心を貫くことしかない。」という思いに至りました。


 本当に微力です。歯がゆいことの多い日々ですが、もう少し続けさせていただこうと、思いを改めてかみしめております。感謝するばかりです。

ありがとうございます。

 

🌸我が家の庭に春一番を知らせてくれたレンギョウ(花言葉は「希望」)

と ムスカリ(花言葉は「通じ合う心」「明るい未来」)です。


同じ空の下にいるウクライナの子どもたちに「明るい未来」が来ることを

願い、希望を託したいと思います。(祈り💛

2022年4月12日火曜日

巣立ちの季節

“♪春ですよー 春ですよー♪ そよそよ小風がいいましたー♫”  懐かしい歌のフレーズが、ふと頭をよぎりました。    レンギョウの黄色の花に癒され、白木蓮のつぼみにほっこりしています。ここ数日の気温の上昇で桜もあっという間に満開になり、  自然の移ろいは裏切ることなく春を運んできてくれました。  春は、新たな出会いの季節でもあります。  また、入園入学の巣立ちの季節ですね。    この季節になると読んでいた、大好きな絵本があります。                  💛「こすずめのぼうけん」
         ルース・エインワース作 石井桃子訳 堀内誠一画  福音館書店刊  おかあさんすずめから、飛び方を教えてもらったこすずめが、いくつかの冒険を経て、巣から飛び立って成長していく物語です。    その過程で、疲れたはねを休ませようとするのですが、からすに言われます。  「おまえ、かあ、かあ、かあっていえるかね?」  「いいえ、ぼく、ちゅん、ちゅん、ちゅんってきりいえないんです」と、こすずめは いいました。  「じゃ、なかへ いれることはできないなあ。おまえ、おれの なかまじゃないからなあ」  つぎつぎに出会うやまばと、ふくろう、かもと、このやりとりを繰り返すのですが、    疲れたはねを休ませることができないこすずめ。  あたりは 暗くなりはじめ、ちいさい すずめは、もう とぶことが できなくなっていました。  そこで出会ったとりに くたびれた こすずめは いいました。  「ぼく、ちゅん、ちゅん、ちゅんってきり いえないんですけど」  「もちろん、なかまですとも」と、そのとりは いいました。  「わたしは、おまえの おかあさんじゃないの。きょうは、いちにち、 おまえを さがしていたんですよ。  わたしの せなかに おのり。いえまで おぶっていってあげるから」  このお話のクライマックス場面です。  おかあさんすずめにおぶわれて 無事 巣に戻ることのできた こずずめ。  『それから、こすずめは、おかあさんの あたたかい つばさのしたで ねむりました』と、お話は結ばれています。  上手く出来ないことを責めることもなく、冒険に挑んでいるこすずめを温かく見守るすずめのおかあさん。  おかあさんの愛情に包まれて、安心して眠りにつくこども。読み終わるころには、お母さんの優しさや深い愛情が伝わってきて、  こころがほっこりして温かな気持ちにしてくれます。  「あなたの傍には、あなたを愛してくれるお母さんがいるから大丈夫だよ。」  「こんなメッセージが子どもたちに伝わってくれたらいいなあ。」という思いを込めて、読んでいました。    今もその思いは、変わりません。  お母さんがお迎えにいらっしゃった時に見せるお子さんの笑顔。お子さんに向けるお母さんの優しいまなざし。   その瞬間を見せていただけることに喜びをいただいております。  お母さんという安全基地があるからこそ、子どもはそこを基点にして巣立っていけるのだと思います。  巣立ちの季節。  「こころほいく」では、入園という節目はありませんが、お子さんにとっては「初めての慣れない環境」です。  涙がたくさん出ることもあります。  お子さんが、安心して、楽しく過ごしていただくことと、信頼して預けてくださったお母さんに安心していただくことが、  何よりの「こころほいくの願い」です。  最大限のウエルカムの気持ちでお預かりさせていただきます。  今年度もどうぞよろしくお願いいたします。